新オズのブリキの樵
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第一幕その九
「これからね」
「ウィンキーに人を送って」
「そうしてね」
「準備をするのね」
「私は今手が離せないお仕事があって」
それでというのです。
「行けないけれど」
「他の人を送ってくれるのね」
「魔法使いは私を手伝ってくれていて」
この人はというのです。
「臆病ライオンと腹ペコタイガーもね」
「行けないのね」
「そうなの、ベッツイとハンクはガラスの猫と木挽きの馬を連れてマンチキンに行っていて」
彼等はというのです。
「トロットとキャプテンはギリキンに行ってるわ、チクタクにジャックと一緒にね」
「それで行けないの」
「けれどドロシーがいるから」
彼女がというのです。
「ムシノスケ教授とモジャボロもね」
「来てくれるのね」
「そしてトトとエリカ、ビリーナもね」
彼等もというのです。
「一緒よ」
「あら、面白い顔触れね」
「そうね、じゃあね」
「ええ、皆が来るのを待つわ」
「そうするわね」
「それじゃあね」
こうお話してでした。
スマートフォンでのやり取りは終わりました、樵はここで言うのでした。
「今からドロシー達が来てくれるんだ」
「ええ、聞いたわね」
「うん、今ね」
「それじゃあね」
「今からだね」
「皆来るから」
ドロシー達がというのです。
「待っていてね」
「そうさせてもらうよ」
「それじゃあね、ただ何時来るか」
そのドロシー達がです。
「そのことはね」
「まだわからないね」
「ええ、ただあたしが使った魔法の道具を使えば」
「お空を飛んでだね」
「すぐにね」
「ここまで来てくれるね」
「そうよ、いや本当に便利よ」
つぎはぎ娘は笑って言いました。
「この魔法の道具は」
「何ていう名前かな、その道具」
かかしはそれを尋ねました。
「一体」
「ドラゴンフライよ」
「トンボだね」
「ええ、竹とんぼみたいな形してるわね」
「日本のおもちゃのね」
「形がそっくりだから」
それでというのです。
「とんぼなのよ」
「それでドラゴンフライだね」
「ええ、そしてね」
「そして?」
「正式名称はバンブードラゴンフライよ」
「竹だね」
「そう、本当にそのままね」
まさにというのです。
「竹とんぼよ」
「そうだね、それを頭に付けたら」
「お空を飛べて」
「すぐに来られるね」
「そうなのよ」
「いや、まさかこの道具をこの目で見られるなんて」
しみじみとです、ジョージはそのドラゴンフライを見て言いました。
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