新オズのブリキの樵
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第一幕その七
「皆元気そうね」
「あれっ、君今都にいたんじゃなかったかな」
樵はつぎはぎ娘を迎えてから言いました。
「確か」
「そう、都から歩いてきたのよ」
「そうなんだ」
「踊りながらね」
実際に今踊りながらお話しています。
「来たのよ、オズマに言われてね」
「オズマになんだ」
「そう、実は今度ライブをしようってお話になったの」
「ライブ?」
「そうよ、それでどの国でしようかってなって」
そうしたお話になってというのです。
「あんたとかかしさんの意見も聞きましょうってね」
「オズマが言ってなんだ」
「あたしが来て話を聞きにきたのよ」
「そうなんだね」
「携帯で聞いたらすぐだけれど」
「実際にそうだね」
「けれど実際に聞いた方がいいって思って」
それでというのです。
「お空を飛んできたのよ」
「どうして飛んできたのかな」
「これよ」
小さな竹とんぼ、日本の昔のおもちゃの様な形で付け根に吸盤が付いたものを出して言ってきました。
「この前魔法使いさんが発明した魔法の道具よ」
「あれっ、この道具って」
ジョージはそれを見て思いました。
「日本の漫画であった」
「頭に付けてお空飛ぶものだね」
神宝も言います。
「それだね」
「漫画のものと思っていたら」
カルロスもその道具を見て言います。
「オズの国では本当にあるんだ」
「魔法使いさんが生み出したのね」
ナターシャはしみじみとして言いました。
「凄いわね」
「確かにこれを使えばお空を飛べるわ」
恵梨香はそれが出来ることを言いました。
「実際にね」
「そう、これを頭の上に付けて飛んできたの」
つぎはぎ娘はジョージ達五人にもお話しました。
「それで都からすぐに来たの」
「オズの国の科学と魔法を使って」
「こんなものも出来るんだね」
「いや、魔法使いさん凄いわ」
「流石と言うべきか」
「実際に作るなんて」
「何か外の世界でこれは造られないって言う人がいたそうだけれど」
それでもというのです。
「出来ない、無理だとね」
「何も出来ないよ」
かかしが応えました。
「そう言うだけじゃね」
「そうよね」
「今の技術で無理でもね」
「将来はわからないわね」
「かつて人は海の中に潜ってその中を観るなんてね」
そうしたことはというのです。
「無理って思われていたよ」
「そうだったわね」
「けれどダイバーの人みたいにね」
「酸素タンクを担いでね」
「水中眼鏡をかけてね」
「ずっと観られる様になったわね」
「潜水艦も出来たしね」
こちらもというのです。
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