憧れのお姉さんと
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第二章
「彼氏さんいたよ」
「ああ、そうか」
「美人さんだしな」
「奇麗な人だとな」
「それで性格もいいし」
「だったら尚更だな」
菊竹はそれならと言った。
「仕方ないな」
「ああ、他の人探すよ」
「その人が駄目ならか」
「それならだろ」
真島は意を決した顔で話した。
「他の人だろ」
「失恋したら次の恋愛か」
「そうだよ、だから次の人をな」
「探すか」
「そして年上のお姉さんに告白して」
そうしてというのだ。
「はじめてをだよ」
「そうか、頑張れ」
「ああ、次の人だよ」
こう言ってだった。
真島は失恋に落ち込んだがすぐに立ち直ってだった。
次の人を探した、だが。
見付けては告白する前のその人に相手がいることがわかって自分の中だけで失恋する、それを繰り返し。
高二の時にだ、同じ高校に進学し部活も同じテニス部となっていた菊竹に対して満面の笑顔で言った。
「この前合コンしただろ」
「ああ、バスケ部とな」
「その後で隣のクラスの渡辺さんに誘われてな」
「お話したのかよ」
「少しな、その時渡辺さんからまたお話とかしようって言われてな」
「それからか」
「そうなんだよ」
朝登校中に満面の笑みで話した。
「俺もその気になってな」
「告白してか」
「笑顔で宜しくって言われたよ」
「それはよかったな」
「いや、年上の人がいいってな」
その様にというのだ。
「言っていたけれどな」
「それでもか」
「告白して受けてくれたんだ」
「だからか」
「その娘が駄目な筈ないだろ」
「もう年上の人はいいんだな」
「俺は相手は一人だけだよ」
そこは真面目だった。
「だからな」
「もういいか」
「ああ」
実際にというのだ。
「それでな」
「年上の人じゃなくてか」
「あの娘一筋でいくよ」
「そう言うなら頑張れ。俺も実はあの合コンでな」
菊竹も笑って話した。
「同じクラスの斎藤さんとな」
「そうなんだな」
「ああ、じゃあお互いな」
「そっちもな」
「頑張っていこうな」
二人で笑顔で話して学校に向かった、そして部活の朝練に出てそれから授業を受けてそれぞれの彼女と楽しい時間も過ごした。もう真島は年上の女性がどうとか言わなかった。今の彼女のことだけを考える様になっていたのだった。
憧れのお姉さんと 完
2025・8・18
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