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ゴリラの捕まえ方

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第二章

「ゴロー、こっちにいたか」
「怖かったな」
「こっちだ、行こう」
「もう二度と逃げるんじゃないぞ」
「ウホ・・・・・・」 
 ゴリラは動物園の人達に力なく応えてだった。
 その人達について行ってだ、その場を去った。健はそれを見て言った。
「あれっ、全然暴れないよ」
「ゴリラって凄い大人しいのよ」
 マリアは驚く健に話した。
「暴れないし抵抗しなくて」
「人を襲って食べないの」
「お野菜や果物しか食べないから」
 ゴリラはというのだ。
「だから捕まえるのは棒位持って脅す位でよくて逃げてもね」
「今みたいに」
「そう、優しく言って聞かせたら」
「帰るんだ」
「そうよ、ゴリラは大きくて顔も怖いけれど」
 それでもというのだ。
「凄く大人しくて優しいから」
「怖くないんだ」
「そうよ、だから安心していいのよ」
「逃げても」
「全然ね、人も生きものも外見じゃないから」
「それで決めたらいけないんだ」
「そうよ、そのことは覚えておかないとね」
 こう健に話した。
「いいわね」
「うん。わかったよ。けれど僕阪神ファンだから」
 健はここでまた野球の話をした。
「ロッテは好きじゃないよ」
「巨人は嫌いだね」
「けれど好きじゃないから」
 だからだというのだ。
「次シリーズで会ったら負けないよ」
「また三十三対四ね」
「そっくり返してあげるよ」
 健も負けていなかった、そしてだった。
 両親に連れられてキリンのコーナーに行った、マリアはゴリラのコーナーに行った。その途中ゴリラは無事に自分のコーナーに帰ったと聞いて微笑んだ。


ゴリラの捕まえ方   完


                   2025・3・15 
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