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第百六十二話 メイド喫茶に入ってその一

                第百六十二話  メイド喫茶に入って
 富美子は休み時間に一人メイド部が主催している文字通りのメイド喫茶に入った、するとそこにはだった。
 イギリス人の若い女性の先生がメイド長姿でいてだ、笑顔で言ってきた。
「喋っている言語以外は全部本場のものにしたのよ」
「イギリスのですか」
「そうよ」
 金髪碧眼の先生は笑顔で言った、金髪は癖のあるロングヘアだ。
「本格的なね」
「日本橋にあるのみたいじゃないんですね」
 富美子は大阪のこの場所から話した。
「それは」
「ああ、それは違うわ」
「やっぱりそうですか」
「あれは日本のメイドよ」
「日本橋とかのメイド喫茶は」
「東京だと秋葉原ね」
「東京詳しくないんで」
 富美子はそれでと返した。
「大阪にしました」
「ここは関西だから」
「はい、私おうどんのおつゆが黒いの駄目ですし」
 東京のうどんのつゆが黒いことにも言及した。
「しかも辛いのも」
「そうなのね」
「あと鰻は高いので滅多に食べないですが」
 それでもというのだ。
「腹から切るのがいいです」
「そこも関西ね」
「それでメイド喫茶もです」
「日本橋ね」
「はい、あそこです」
 そうなるというのだ。
「難波駅からすぐそこの」
「そうよね。けれどメイド部は本格的なね」
「メイドさんの部活ですね」
「イギリスのね」
 まさにメイド発祥の国である。
「そちらだから」
「このメイド喫茶もですね」
「正規のメイド服でね」
 見れば丈が長く露出が少ない。
「出すものもサービスもよ」
「イギリスなんですね」
「ミルクティーとティーセットだから」
 出すものはというのだ。
「お金がないならミルクティーだけでもいいわよ」
「オムレツとかないんですね」
 富美子は案内されたイギリス風の白い席二人用のそれに座って案内してくれた先生に対して尋ねた。
「あの萌え萌えの」
「その萌え萌えがないのよ」
「既にですね」
「それこそまさによ」
「日本のメイドさんですね」
「イギリスにはないのよ」
 富美子に微笑んで答えた。
「日本は何でも独自進化を遂げる国で」
「メイドさんもですね」
「そうなっていてね」
「オムレツもですね」
「ケチャックで文字を書いてでしょ」
「それで萌え萌えです」
 富美子はまさにと答えた。
「そうなっています」
「それは確かにいいけれど」
 イギリス人の先生もそのことは認めた。
「けれどよ」
「イギリスにはなくて」
「出すものもよ」
「ミルクティーとティーセットですね」
「ええ、けれどね」
 先生は流暢な何年も日本にいることが伺える日本語で答えた。 
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