夢幻水滸伝
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第三百八十三話 読む力その八
「そやからな」
「だからですか」
「僕以上に平和主義で」
そうであってというのだ。
「穏やかでおっとりして優しい」
「そうした方なので」
「そやからな」
だからだというのだ。
「ほんまな」
「セスペデス様と争うことはないですか」
「野心もないし」
このこともあってというのだ。
「それでな」
「衝突することなく」
「近いうちに僕と話して」
そうしてというのだ。
「一緒にやってくことになるわ」
「そうなれば」
館長はセスペデスの話をここまで聞いて言った。
「そうなった時点で」
「ボリビアの統一やな」
「そうなりますね」
「そや、それでそこからは勢力拡大をせず」
そうしてというのだ。
「内政と他国との外交にや」
「専念されて」
「国を豊かにするわ」
そうするというのだ。
「今も内政は治安を改善して産業を発展させて」
「積極的に進めておられますね」
「そやけど統一してからがや」
そこからがというのだ。
「本格的にはじめる時でな」
「それで、ですか」
「そや、今はな」
「勢力拡大、統一にですね」
「重点を置いてる」
そうしているというのだ。
「それでや」
「チェチーリア様にもですね」
「声をかけるで」
こう言ってだった。
「一緒にやっていこうとな」
「そうされますね」
「まず戦やない」
「交渉ですね」
「それで統一出来れば何よりや」
セスペデスは確かな声で言いボリビアの街や村を主に交渉で勢力圏に加えた、そして自分が言った通りにチェチーリアもだった。
彼女と直接会うことにした、それでラパスに呼んでだった。
コーヒーとお菓子を飲みながら話した、そこで言うのだった。
「これからは二人でやっていかへんか?」
「ボリビアにおいてですね」
「僕は戦は嫌いや」
「あーしもです」
チェチーリアは無表情で応えた。
「物騒なことは」
「チェチーリアちゃん平和主義やしな」
「その通りです」
「そやからやな」
「これまでもすでしたし」
「これからもやな」
「まず平和である」
お菓子をぽりぽりと齧りつつ話した。
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