夢幻水滸伝
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第三百八十三話 読む力その五
「まさにな」
「ではです」
「これからは官邸に入って」
「暮らされるといいかと」
「ほなそうするわ」
セスペデスは確かな声で答えた、そうしてだった。
彼は官邸に入ってそちらで暮らす様になった、官邸は浴室もトイレも応接間もあり快適に暮らせて客の応対も出来てだ。
一つの勢力の棟梁の座に相応しかった、それでだった。
彼はここでだ、ある考えを図書館の館長と司書今では彼の相談役になっている二人に夕食の時に話した。
「オルロ、コチャバンバ、ポトしの市長さん達を呼んで」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「僕の勢力に入る様に説得するわ」
こう言うのだった。
「サンタクルスもな」
「ボリビアの主要都市ですね」
四つの都市の名を聞いてだ、館長は応えた。
「まさに」
「そや、その四つの街を僕の勢力に加えるとな」
そうすればというのだ。
「四つの街の周りの街や村もや」
「セスペデス様の勢力に入ることを考えますね」
「そうなる、実際に僕が旗揚げしてや」
そうしてからのことも話した。
「ラパスの周りの街や村はこぞって勢力に入りたいって言ってるな」
「セスペデス様の図書館での御働きが評判になっています」
今度は司書が話した。
「どういった難しいことも何なく解決出来る」
「そうした能力があるってやな」
「はい」
まさにというのだ。
「評判になっていまして」
「旗揚げしてすぐにか」
「ラパスの人達が支持しまして」
「周りの街や村の人達もやな」
「セスペデス様が治められるなら」
それならというのだ。
「問題ない、必ず素晴らしい政をして下さると」
「思ってやな」
「そうしてです」
そのうえでというのだ。
「多くの街や村がです」
「僕の勢力に入ってきてるな」
「左様です」
「そや、最初僕はまずはと思ってな」
セスペデスはそれでと答えた。
「図書館で働きながらな」
「相談所を設けられましたね」
「それでラパスの人達のプライベート以外の悩みを聞いてな」
「行政や司法のことで」
「解決していったけど」
「それがよかったですね」
「ええことしたらそれが評判になる」
確かな声でだ、セスペデスは言った。
「そやからな」
「それで、ですね」
「あの時はそうしてな」
「旗揚げをされましたね」
「その時の評判が生きてるな」
「それで旗揚げと同時にです」
「ラパスの周りの街や村も入ってくれてる」
そうなっていると自分で言った。
「そしてそれをや」
「ボルビアの四つの主な街を勢力に加えると」
「起こるわ、僕の勢力に入ってどんな利益があるか」
「そのことをお話されますね」
「不利益もな」
「そちらもですか」
館長はセスペデスの今の言葉に怪訝な顔になって問うた。
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