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夢幻水滸伝

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第三百八十三話 読む力その一

                第三百八十三話  読む力
 アルフォンソ=セスペデスはこの世界に来て声からこの世界とこの世界における自分達のことを聞いた、そして目を開けたが。
 周りが多くの本棚とそこに入れられている多くの本と席であることからそこが図書館であると察してだ。
 すぐに図書館の貸し出しコーナーに行って司書に言った。
「館長に会わせてくれるか」
「当図書館のですね」
 若い女の羊人の司書が応えた。
「左様ですね」
「そや、それでや」
「これからですね」
「お会いしてな」
「何かとお話したい」
「貴方は」
 司書はセスペデスをじっと見て驚きの声で言った。
「恐ろしいまでのレベルとステータスですが」
「特技もやな」
「はい、まことに」
「星のモン、地の星や」
 セスペデスは隠すことでないと思い正直に話した。
「僕は」
「星の方ですか」
「これからのことで話したい」
「そうですか」
「それでええか」
「すぐに案内します」
 司書は約束した、そして実際にだった。 
 彼は館長室に案内された、そこは古風な木造の部屋であり館長は初老の品のいい黒いベストとズボンに白いブラウスと司書と同じ服の男であった。
 その男が館長だと司書に紹介されてだ、セスペデスは彼と話そうとしたがその前に館長から言われた。
「星の方ですね」
「わかるか」
「はい、そのレベルとステータスと特技で」
 その三つでというのだ。
「わかります」
「そやねんな」
「そしてです」
 そのうえでというのだった。
「ここに来られた理由は」
「この世界に来たらな」
 セスペデスは今先程の話をした。
「この図書館の中やったんや」
「そうでしたか」
「それで具体的に何をすればええか」
「そのことがですか」
「わからへんでな」
 それでというのだ。
「今からや」
「お話を聞きたいですか」
「そや」
 まさにというのだ。
「これからな」
「そうですか」
「僕が今いる場所のことをな」
「ここはラパスの図書舘です」
 館長はすぐに答えた。
「それでラパスのこともお話させて頂きますが」
「頼むな」
「そのお話の前に」
 館長はセスペデスにあらためて話した。
「座って下さい」
「ああ、席にか」
「そしてじっくりと。コーヒーを飲みながら」
 そのうえでというのだ。
「お話しましょう」
「わかったわ、ほなな」
「それでは」 
 こう話してだった。
 館長はセスペデスを図書館の応接間に案内し自らコーヒーを淹れてそのうえで話をした。そうしてだった。 
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