世界の礎
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第八話 騎馬の民との戦その三
「ここはな」
「商人達から話を聞き密偵を送り」
「あの国を知る」
義青は即座にその国のことを聞き多くの密偵を送り込んだ、そのうえでその国のことを詳しく知ったが。
詳しく知ってだ、彼は言った。
「王と母后が対立しているな」
「はい」
密偵の将軍であるマハーカ、豹人の男である彼が答えた。
「政のことで」
「王は領土拡大を考えていてだな」
「東に向けて」
「母后は現状維持だな」
「左様です」
「あの国の東も遊牧民の領域だ」
義青はマハーカの報に述べた。
「しかもかなりだ」
「強いですね」
「戦ってもな」
そうしてもというのだ。
「苦戦が予想される」
「だから母后は反対しています」
「そうだな、そしてだ」
義青は話を続けた。
「あの国の兵権は主に母后が持っている」
「王ではなく」
「それならだ」
義青は言った。
「我々は母后を味方につけるか、そうすればだ」
「あの国の兵権を握れますね」
「そうなる、その大半をな」
「それだけで違いますね」
「あの国の兵権の多くを握れば」
帝国がというのだ。
「周辺の帝国に従おうとしない部族にもだ」
「影響を与えますね」
「あの国の兵の多くは騎兵だ」
「その騎兵の多くを味方につければ」
「帝国はさらに強くなりな」
「従わない者達も意識して」
「そうなりだ」
義青はさらに言った。
「従う部族が増えるしな」
「よいですね」
「従う部族は増えているが」
北の遊牧民達の中でというのだ。
「まだ従わない者が多い」
「その彼等にも影響するので」
「ここは母后をだ」
「味方につけますか」
「そして王は野心家だが」
領土拡大を考えている様なというのだ。
「愚かではないな」
「決して」
「常に民のことを考えてだな」
「善政を敷き学問が好きです」
「人の話も聞くな」
「左様です」
「それならだ」
そうした人物ならというのだ。
「話せばわかる」
「それで、ですね」
「まずは母后を味方につけてな」
「王も説得しますね」
「東に領土を拡大するのは危険だとな、そしてあの国をだ」
「戦ではなく政で、ですね」
「取り込む」
そうするというのだ。
「それが出来ない場合にだ」
「戦ですね」
「はっきり言う」
まさにとだ、義青は話した。
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