夢幻水滸伝
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第三百八十二話 イザベルの戦その六
「考えていますし」
「実際に神様存在していますし」
「それぞれの神界におられますね」
「キリスト教の神も」
「そのことは確かですし」
「この世界でははっきり見えますね」
「神の存在が、そのことは大きいですね」
イザベルに問う様にして言った。
「左様ですね」
「確かに」
イザベルもその通りだと答えた。
「その通りです」
「それで、です」
「信仰と科学のどちらも尊重して」
「この修道院の畑にもです」
「科学農法を取り入れていますね」
「そうしています、それでお米もです」
こちらもというのだ。
「水田をもうけて」
「作っていますね」
「麦もありますが」
「お米の方が収穫高が高いので」
「お米も作っています」
「そうですね、そしてその時に」
イザベルはさらに話した。
「水田で蛙やザリガニもいるので」
「食べていますね」
「水田の道に大豆も植えて」
「家鴨に虫も食べさせていますし」
「その家鴨の卵も食べて」
「お肉もです」
家鴨のそれもというのだ。
「そうもしていますし」
「そうした農法も行っていますね」
「そうしています」
「日本の農業のやり方ですが」
「それもしています」
「そうですね、そうして優れた農業で」
それでというのだ。
「私達も暮らしています」
「そうですね、ほな午後は」
「畑仕事に励まれますね」
「そうさせてもらいます」
こう言って実際にだった。
イザベルはその日の午後は鍬を手にした、そうしてだった。
修道院での仕事にも励んでいった、そうした日々を過ごすうちに彼女は街とその辺り一帯の頼りになる用心棒それに便利屋の様になっていた。
その中でだ、彼女は周囲の噂を聞いて尼僧に言った。
「何かマリアさんが」
「地の星の方ですね」
「随分と頑張っておられるみたいで」
「アスンシオンにおられて」
「そうみたいですね」
「パラグアイの統一をです」
それをというのだ。
「目指されています」
「環境を重視しはったうえで」
「左様です」
「あの人とは起きた世界でもお付き合いあるけど」
それでもというのだった。
「物凄い立派なことしてはるね」
「左様です」
「あたしには思いつかんわ」
イザベルは腕を組んで言った。
「ああしたことは」
「政はですか」
「どうもな」
「思いつかないのならです」
尼僧は考える顔になっているイザベルに話した。
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