怪我をしても諦めるな
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第二章
「ちゃんとな」
「酷い怪我でもね」
「まだな」
「だったらね」
それならというのだ。
「後遺症残っても」
「それでもか」
「本当にサッカーが好きで」
それでというのだ。
「やりたいのなら」
「後遺症があってもか」
「やればいい」
「周りが何か言わないか?」
このことが心配になってだ、佑造は言った。
「障害あってもとかな」
「そんなこと言う方が馬鹿だからな」
「それは偏見でしょ」
すぐにだ、両親が怒って答えた。
「そんなこと言う人は無視しなさい」
「大事なのはお前がどうかだ」
「あんたがやりたいならやりなさい」
「足がどうなってもな」
「そうか、それなら」
佑造はここで決心した、そしてだった。
まずはギプスが取れて満足に動ける様になることを待った、その間は大人しくしていて満足に動ける様になって治療を受けると。
「後遺症はないですか」
「はい」
医師が答えた。
「よかったですね」
「本当に。じゃあまたサッカーが出来ますね」
「普通に。ですが」
「後遺症があってもですね」
「ご家族に言われましたね」
「はい、後遺症が残っても」
それでもとだ、佑造は医師に答えた。
「サッカーは出来ると」
「障害者スポーツですね」
「それがあると」
「そうです、例え後遺症があっても」
「サッカーは出来ますね」
「そうでした、ですがそれはないので」
「またやります」
満面の笑顔で言った、そしてだった。
佑造はサッカーを再開した、怪我をしている間ずっとしていなかったので暫くは然程動かなかった。だが。
やがて怪我をする前の様に身体を動かして楽しむ様になった、そして高校でも大学でもサッカーを楽しみ社会人になってもだった。そして両親弟とはずっと仲がよかった。諦めるなと言ってくれた彼等をずっと大事にした。
怪我をしても諦めるな 完
2025・2・24
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