スーパー戦隊総決戦
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第十話 奈良においてその十一
「大変だったのだな」
「はい、それにメレ様といえばです」
ここでメレのことも話すのだった。
「実況解説はお好きではないので。私としてはそれが残念で」
「あのね」
そのメレからクレームが来た。なお戦闘中である。
「戦いを実況中継するってどうなのよ」
「何っ、これは伝統芸能だぞ」
「そうよ」
メレの今の言葉にヤバイバとツエツエがムキになって反論する。
「伝統芸能を馬鹿にするな」
「そうよ、天罰が下るわよ」
「言っていることが滅茶苦茶矛盾していないか?」
ゲキバイオレットが彼等の言葉を聞いて言った。
「何でオルグが伝統芸能とか天罰とか言うんだ?」
「細かいことはどうでもいいだろ」
「人間細かいこと気にしていたら器が小さくなるわよ」
「何処まで無茶言うんだ、こいつ等」
ゲキチョッパーもそんな彼等に呆れるしかなかった。
「大体御前等オルグだろ?」
「そうだ、誇り高きオルグだ」
「それは否定しないわよ」
「じゃあ何で人間なんて言うんだ?」
マシンの中と解説席からそれぞれ言い合う。
「矛盾もそこまでいったらあれだぞ」
「ええい、五月蝿い!」
「私達のやることに口出しするのは許さないわよ!」
「今度は逆キレするし」
「もう何が何だか」
皆このことには完全に呆れた。
「というかあんた達って」
「遊んでない?」
「解説とか観戦とか」
「時として遊びも必要ですさかい」
アクマロが悠然として語る。
「ですからそれもええのです」
「アクマロ、あんたも変わったわね」
「皆さんにええように影響されまして」
こう薄皮太夫にも応える。
「そうですさかい」
「まあ少なくとも楽しくやれるな」
ドウコクは観戦の中も酒を飲んでいる。
「この連中と一緒ならな」
「何か皆と気が合うわよね」
「そうそう」
「もう生まれた時から一緒みたいな」
シズカにフラビージョ、ウェンディーヌも話す。
「一緒に理想国家を作って」
「それで楽しくやっていけそうだし」
「この顔触れなら」
「それはいいけれど」
ゲキイエローも彼等が国を創ることには反対しなかった。しかしであった。
「けれど」
「けれど?何でおじゃるか?」
「あんた達何処に国を創るつもりなの?」
このことを突っ込むのだった。
「それは一体」
「んっ!?そういえばでおじゃる」
「今まで考えたことはなかったなり」
「そうぞよ」
ヨゴシュタインとキタネイダスも今更ながら言う。
「果たして何処に築くなりか」
「その辺りの遊園地なんかを借りたらどうぞよ」
やはり何も考えていなかった。
「ううむ、場所だな」
「いい場所があれがいいのだが」
ヴァッフォとミゲラも今更ながら言う。
「そうだ、この国の近所の半島の北半分」
「あそこを借りるというのはどうだ?」
「別にそれでもいいな」
十蔵は腕を組んで座ったままその言葉に応えた。
「場所は何処でもいい」
「そうだ、何かパレス何とかってところがあるけれど」
ここで言ったのはシズカだった。
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