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ハッピークローバー

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第百六十話 大きくなりたいその三

「頭の中身って変わらないでしょ」
「それね」 
 理虹は確かな顔で頷いて応えた。
「大男総身に知恵がっていうけど」
「小男の総身に知恵もっていうわね」
「大男は回りかねでね
「小男は知れたものよね」
「結局はね」
 理虹はさらに言った。
「人間の頭の出来って変わらないのよね」
「そうなのよね、まあ何の努力もしないで生きていたら」
 かな恵はそれならと話した。
「どうしようもない馬鹿になるっていうわね」
「もう何の常識も理屈もわかってないね」 
 留奈が応えた。
「責任も自覚しないで反省もしない」
「言うなら白痴と変わらないね」
 かな恵もこう返した。
「何がいいか悪いかもわからない」
「だから性格も行いも凄く悪いね」
「そんな馬鹿になるけれど」
「何も努力していないと」
「けれどね」 
 それでもというのだ。
「人の頭の出来なんてね」
「変わらないわね」
「普通に生きていたらね」
 そうであるならというのだ、人間の頭の出来は結局のところその人物の努力で決まるものであるのだ。
 それでだ、かな恵も言うのだった。
「皆変わらないわよ」
「レベル的には」
「体格に関係なくね」
「そんな風になるわね」
「大谷選手が頭悪いか」
「全然思わないわ」
 留奈はきっぱりと言い切った。
「お話していること聞いたらね」
「そうでしょ」
「ええ、全くね」
 それこそというのだ。
「思わないわ」
「その人の生き方よ」
「頭については」
「そう、それで体格もね」
「程々ね」
「背が高くても」
 それでもというのだ。
「大谷選手位になるとね」
「かえって困るわね」
「絶対にね」
「けれど鳴海っち一九〇位になりたいのよね」
 留奈もそのことを問うた。
「大谷選手位に」
「そうなのよね」
「無理でもね」
「目標はね」
 背丈のそれはというのだ。
「それ位なのよ」
「実際にそこまでなったら困るのに」
「鳴海っちもね、しかもラグビーだから」
 行っているスポーツはというのだ。
「背だけじゃなくてね」
「体格も凄くなるわね」
「いつも走ってぶつかってでしょ」 
 ラグビーはというのだ。
「もう格闘技だしね」
「体格も凄くなるわね」
「戦車みたいね」
「そうなるわよね」
「だからね」 
 体格もそうなるからだというのだ。 
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