金木犀の許嫁
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第五十四話 忍者の家でもその一
第五十四話 忍者の家でも
夜空はクラスでクラスメイト達に言われた。
「夜空ちゃんって忍者の感じしないわね」
「全然ね」
「佐京君と許嫁になったけれど」
「それで元々忍者のお家だれど」
「料理部だしね」
「運動得意じゃって言うし」
「実際運動得意じゃないわ」
夜空自身が認めることだった。
「私はね」
「しかも胸大きいしね」
「お尻もね」
「安産型の体型だし」
「忍者って感じしないわね」
「誰でも忍者にならないわよ」
夜空はクラスメイト達にこう返した。
「忍者のお家でもね。昔からね」
「そうなの」
「別にならないの」
「そうなのね」
「昔は知らないけれど」
それでもというのだ。
「特に私のお家は分家だから」
「そうはならないのね」
「忍者にならないといけないって」
「そうでもなにのね」
「これといって」
「そう、そしてね」
そうであってというのだ。
「私もお姉ちゃんもね」
「忍者じゃないのね」
「忍術の修行していないのね」
「料理部でお料理作ってるのね」
「お家で家事もしてるし」
こちらの話もするのだった。
「それでね」
「主婦ね」
「もう既にね」
「佐京君のお嫁さんって感じね」
「既にね」
「そうかも。ただ手をつないだりは大学を卒業してからってね」
その様にというのだ。
「佐京君とお話してるし」
「そうなの」
「そうしてるの」
「もう」
「そう、そしてね」
それにというのだった。
「お部屋も別だし」
「同じお家に暮らしていても」
「許嫁でもなの」
「お部屋は別々なの」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
そうであってというのだ。
「結婚もね」
「大学を卒業して」
「それからなの」
「お互い就職して」
「それからなの」
「そう考えてるの」
実際にというのだ。
「私も佐京君もね」
「いや、もういいんじゃない?」
「結婚しても」
「お互い十八になったら」
「そうしても」
「学生でいる間はね」
どうしてもというのだ。
「ちょっとね」
「しないの」
「そうなの」
「まだなの」
「そう、しなくて」
それでというのだ。
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