八条学園騒動記
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第七百八十七話 貴族で海賊になるその五
「普段はね」
「自分でだね」
「軍服も奇麗にするのよ」
「連合ではそうだね」
「まあ士官室係の人達がいて」
専門の職種である。
「ある程度やってくれるけれど」
「それでもだね」
「自分のことは自分でするのよ」
「連合の軍隊だと」
「元帥も二等兵も市民よ」
連合のというのだ。
「同じね」
「階級なんてないよ」
「軍隊では階級があっても」
「どうしてもね」
「けれどね」
「軍服を脱いで」
トムはそうしてと話した。
「基地を出たら」
「お仕事を離れたら」
「市民だからね」
「同じね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「元帥でも二等兵でも」
「同じよ」
「同じ連合市民だよ」
「何も変わらないね」
「連合は色々あって」
トムは自分達の国の問題も話した。
「差別だってね」
「あるのよね」
「それぞれの国でね」
「民族とかの衝突ってあるわね」
「暴動とかにはならなくても」
それでもというのだ。
「意見の対立とかね」
「あるのよね」
「宗教とか職業でも」
「どうしてもね」
「あるけれど」
それでもというのだ、トムはそうした話をしながらそのうえでペリーヌに対してこう言ったのであった。
「市民であることはね」
「変わらないからね」
「平等だよ」
「自由でね」
「自由と平等は」
この二つはというと。
「連合だとね」
「もう絶対よね」
「市民だったらね」
「市民は貴族じゃないわ」
ペリーヌは断言した。
「奴隷でもないし」
「そう、市民は市民」
「皆同じなのよ」
スターリングと蝉玉も言った。
「平等でね」
「自由もあって」
「そうしたものだから」
「お祖父ちゃん達もお仕事離れたら普通だよ」
「お家でくつろいで」
「全然威張ってないよ」
「そう、これが貴族だとね」
ペリーヌは彼等のことをまた話した。
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