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八条学園騒動記

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第七百八十七話 貴族で海賊になるその一

                貴族で海賊になる
 スターリングは四人で席に着いて一緒に日本のお茶を飲みつつ言った。
「いや、貴族って何処でも威張るものだね」
「威張らない貴族っていないでしょ」
 蝉玉はすぐにこう返した。
「エウロパには」
「エウロパ貴族はそうだね」
「もうね」
 それこそという口調で言った。
「尊大で傲慢で」
「平民を奴隷と思っていてね」
「酷使して搾取する」
「そうしているね」
「特権を傘にきて」
 そうしてというのだ。
「やりたい放題する」
「そうした連中だよね」
「特権を持った野獣とかね」
 蝉玉はこうも言った。
「言う人いるし」
「本当に最悪な連中だね」
「だから海賊になっても」
「威張るんだね」
「それであっちの平民って奴隷だから」
 連合ではエウロパの平民達はそうだとみなされている、貴族の横暴に全く無抵抗の愚か者達とである。
「それでね」
「逆らわないね」
「海賊の中でもね」
「そうなるんだね」
「実際向こうのマフィアでも」
 所謂アウトローの社会でもというのだ。
「普通にね」
「貴族が威張ってるんだね」
「何でも貴族が自動的にドンとかになって」
 マフィアのファミリーのというのだ。
「威張ってるそうよ」
「そうなんだね」
「もう何処でもね」
 エウロパではというのだ。
「貴族がよ」
「威張ってるんだ」
「そうした社会なのよ」
「絶対にいたくない社会だね」
 スターリングはここまで聞いてしみじみと思った。
「いや本当に」
「皆そう思うわよね」
「連合にいたらね」
 それならというのだ。
「思うよ」
「そう思わない筈がないわね」
「全く、アウトローの社会なんて」
 スターリングは忌々し気に言った。
「実力が全ての」
「そうした社会でないとね」
「駄目だよ」
「そうよね」
「法律の外にあるから」
「アウトローの世界はね」
「それならだよ」
 スターリングはさらに言った。
「もうね」
「階級とか関係ないわよね」
「そう思うけれどね」
「エウロパはあるのね」
「若しかしたら」
 スターリングは蝉玉に考える顔になって話した。 
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