おぢばにおかえり
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第八十四話 日常を過ごせるのもその五
「その人は」
「わかれば驚くから」
「私がですか」
「だからね」
それでとです、私に笑って言われました。
「その子に言うから」
「私にアタックしろって」
「もう千里ちゃん一筋だよ」
「私にですか」
「他の誰も目に入っていないよ」
「そんな人います?」
正直全く思えませんでした。
「私なんか別に」
「夢中になる様な人じゃないっていうんだね」
「アイドルでも声優さんでもないですから」
「その人にとっては違うから」
「アイドルみたいなものですか」
「トップアイドルだよ」
「声優さんでもですね」
「そこまでなんだよ」
「そんなに私に夢中な人って」
そう言われてもです。
「わからないです」
「そうなんじゃね」
「はい、私ブスって言われたこともありますし」
子供の頃にです。
「小柄ですし」
「その小柄なのがいいみたいだよ」
「小柄なのがですか」
一五〇しかないです、せめてあと五センチ欲しいと思っていますが背は一向に伸びません。新一君が羨ましいです。
「私いつも背が欲しいと思ってるんですが」
「そこは人の好みじゃけえ」
「小柄な人が好きな人もいますか」
「千里ちゃんみたいなね」
「そんなもの好きな人いるんですね」
思わず首を傾げさせてしまいました。
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