金木犀の許嫁
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第五十二話 歴史の真実その十
「当時はお子さんすぐに死ぬから」
「不思議ではないですね」
「怪しいと思う人がいても」
「公には急死で終わりですね」
「歴史って結構多いよね」
佐京は妹に言った。
「急死する人って」
「そうした人はですね」
「実はってことがね」
「有り得ますね」
「イタリアの子が言ったけれど」
佐京の同級生のだ。
「毒殺多かったらしいよ」
「あちらでは」
「ルネサンスの頃とかね」
この頃のイタリアは群雄割拠で陰謀も渦巻いていた、その中にボルジア家やメディチ家も存在していたのだ。
「凄かったらしいよ」
「毒殺が」
「それで表向きには」
「急死で終わりですか」
「そうだったし日本でもね」
「急死で、ですか」
「済むしね」
表向きにはというのだ。
「そうなるしね」
「それに秀頼公はお子さんだったので」
「秀吉公がお亡くなりになった時六歳でね」
「本当に何時どうなるか」
「わからなかったから」
そうした年齢だったからだというのだ。
「豊臣家は簡単にね」
「滅ぼせましたか」
「服部半蔵さんに命じたら」
伊賀者の棟梁である彼にというのだ。
「それでね」
「終わりでしたね」
「豊臣家は滅んでいたよ」
「お家断絶で」
「それこそ戦をしなくても」
それでもというのだ。
「家康さんはね」
「豊臣家を滅ぼせましたね」
「まして秀頼公の周りは」
そちらはというと。
「女の人が多くて」
「茶々殿ですね」
「この人達政治も戦いも知らないから」
「警護もですね」
「緩かったと思うしね」
「忍者なら簡単にですね」
「秀頼公の近くに密かにね」
佐京はさらに話した。
「忍び込んで」
「暗殺ですね」
「一服盛るか」
毒をというのだ。
「吹き矢でね」
「終わりですね」
「お茶にでも入れたら」
毒をというのだ。
「本当にね」
「簡単ですね」
「だからね」
そうであったからだというのだ。
「豊臣家を滅ぼすつもりなら」
「何時でもですか」
「家康さんは出来たよ」
「そうでしたか」
「しかしね」
それがというのだ。
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