先生と助手が仲良すぎて嫉妬されるお話

~~~ホシノ 回想~~~

ホシノ「あのね、先生」

先生「んー？どしたの？」

ホシノ「おじさん...いや、私、先生の事が好きなんだ」

先生「え」

ホシノ「だからさ、付き合って欲しい」

先生「ホシノ嬉しいよ」

先生「こちらこそよろしくね？」

ホシノ「え？本当！？やった！」

ホシノ「じゃあ、これからは私が先生のこと守るからね？」

先生「うん、お願いね？」

ホシノ「先生は私とアビドスのみんな以外仲良くしちゃダメだからね？」

先生「うん、わかったよ」

~~~ゲヘナ 拘置所~~~

ホシノ「...」

なんで、先生は約束してくれたじゃん...
私達以外と仲良くしないって...

ホシノ「なんでっ...」

ホシノ「なんでなのさっ...」

~~~ゲヘナ 風紀委員会~~~

ヒナ「起こしてちょうだい」

アコ「はい」

ザバッ(冷水をかける音)

「はっ」

冷たい、冷水をかけられたのか。

ヒナ「ようやく目が覚めたのね」

「風紀委員長...」

ヒナ「安心して、私達は貴方を殺したりしないから」

安心なんかできない。何が目的なんだ？

ヒナ「貴方は何者なの？」

ヒナ「経歴はほとんど黒塗り、おまけに先生の事を嗅ぎ回っているそうじゃない？」

経歴の事は置いといても、なんで私が先生の事を模索している事を知っているんだ...

「それがどうした」

ヒナ「もう一度問うわ」

ヒナ「貴方何者なの？」

「それは答えられない」

ヒナ「そう、じゃあ吐くまで解放しないわ」

よくある常套手段だ。そんなのいくらでも耐えてやる

~~~シャーレ~~~

先生「ほ、ホシノどうしちゃったの...」

いきなり助手を気絶させて連れ出して、私に”すぐに返すから”としか言わずに。

先生「ホシノ...助手と仲良くして欲しいよ...」

そんな切実な願いを口にするのだった

~~~ゲヘナ 風紀委員会~~~

「...」

ヒナ「はぁ、一向に吐かないわね」

アコ「委員長、この薬を打ってみては？」

ヒナ「なにそれ？」

チナツ「外の世界から仕入れたものです、なんでもこの薬を接種した人物は意思に逆らって秘密を喋るようになるそうで」

アコ「名前はなんでも自白剤とか...」

ヒナ「そんな便利な物があるのね」

アコ「打ちますか？」

ヒナ「打ちなさい」

チナツ「わかりました」

「なんだ...薬か...?」

チナツ「大人しくしていてください」

チクッ

なんだっ？意識が朦朧としてきた...だめだ...

ヒナ「改めて問うわ貴方は何者なの？」

「あぁ...私は...」

あぁ、なんだ...どうでも良くなってきた...

「私は、潜入捜査官...」

アコ「なっ！」

ヒナ「どこの組織の？」

「連邦生徒会長の勅命...」

ヒナ「そう、で、なんで先生の事を模索しているの？」

「それは...」

ガクッ

チナツ「ダメです、意識失ってます」

ヒナ「ﾁｯ...あと少しだったのに」

アコ「どうしますか？」

ヒナ「まぁ、十分情報は吐いたわ、拘置所に入れておきなさい。」

アコ「わかりました」

~~~ゲヘナ 拘置所~~~

「うーん...」

ここは...てか私は一体何をして...
確か薬を打たれて...ダメだ、思い出せない

ホシノ「助手...?」

「ホシノ、さん...?」

ホシノ「なんでここにいるのさ...」

「分からない、何も思い出せない...」

ダメだ、身体が重すぎて姿勢が寝たきりだ。
あぁ、こうなるならさっさと舌噛んで死ねばよかった...

その時、誰かが近づいてくるのがわかる。

先生「三隈君...」

「先生...?」

「なんでここに...」

なんでここに先生が？もしかして幻覚か？

ホシノ「先生！助けに来てくれたの？」

先生「ホシノ、違うよ」

ホシノ「え？」

先生「ホシノ、君はここで反省してね」

ホシノ「ちょ、ちょっとまって！」

先生「さ、助手帰ろうか」

どうやら幻覚ではないようだ。彼はそっと私に肩を貸してくれる。

ホシノ「なんで？なんでなの！先生は私の彼氏だよね？」

先生「ごめんね、ホシノ。もう別れようか」

~~~シャーレ~~~

先生「よいしょ」

私は椅子に座らされる。未だに体に力が入らない。

先生「大丈夫だったかい？」

「えぇ...なんとか...」

先生「そっか...」

先生「じゃあ改めまして」

先生「久しぶりだね斐田」

「気づいてたのか...」

あぁやっぱこいつは凄いよ。俺なんかには到底敵わない。

先生「いいや？違うよ。気づいたのはさっきだね」

「お前はすげぇよ...こんな危険なところで先生やって色んな生徒から慕われてんだから...」

先生「あはは、でもごめんねこんな目に合わせちゃって」

先生「でもいつぶりだろうね、こうやって一緒に話すの」

「いつぶりだろうな...」

そうだ、こいつと俺は幼馴染だ。それも昔っからな。
同じ夢を持って、同じ道を歩んで、同じところで働いた。
けど、いっつもこいつには敵わなかった。いつも俺は2番手だった。

先生「斐田が地元に帰ってから、その後私はここに来たんだ。」

「そうだったのか」

先生「もしかして、私の経歴気になってたのって」

「そうだよ、まさかお前だとは思わなかったから本当にお前か確認したかったんだ。」

先生「そっか...」

幼馴染と久しぶりの再会を喜んだ。どうでもいい話に花を咲かせ、時間だけが過ぎてゆく。