世界の礎
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第五話 ナイル川その一
第五話 ナイル川
義青は帝国の勢力をアラビア半島に向かわせた、その真ん中にある広大なアラビア砂漠には進出せず。
その周辺の街や村に使者を送った、そうして降る様に言うと。
「イスラムを認めるならです」
「いいと頷いてだな」
「はい」
サラは義青に答えた。
「次々と降っています」
「メッカ等もだな」
「そうなっています」
「いいことだ、何度も言うがな」
義青は強い声で話した。
「私は他宗教を侵害しないならだ」
「あらゆる宗教を認めますね」
「そうする、この世界では神霊の存在がはっきりとわかる」
この世界のこの特徴のことも話した。
「それも多くの神界がある」
「それぞれの信仰の」
「イスラムもあればだ」
それと共にというのだ。
「ユダヤもありメソポタミアの信仰もだ」
「ありますね」
「ゾロアスターもある」
この宗教の世界もというのだ。
「様々な神界があると判明しているならな」
「その事実を受け入れるだけですね」
「そしてイスラムはそれを出来る宗教だ」
「最初からですね」
「だからいい、ただ彼等は戦を恐れない」
このことも指摘した。
「決してな」
「ジハードですね」
「だから若し我々が彼等を抑圧すれば」
その時はというと。
「間違いなくだ」
「戦を選びますね」
「そうなる、だからな」
「抑圧はしないですね」
「他の民と同じに扱う」
そうするというのだ。
「教えを認め税もな」
「同じですね」
税のことはヤキが言ってきた。
「そちらも」
「そうだ、今は三割にしているが」
「アラビアも三割ですね」
「そうしている」
「その税ですが」
ヤキはこちらの話をした。
「我が帝国は三割ですが他国は」
「より高いな」
「五割が普通で」
「六割矢七割の国もある」
「随分安いですね」
「それは我々は様々なものを生み出し造ってだ」
そうしていてというのだ。
「売って利益を得ているからな」
「税は軽いのですね」
「それで済む、そしてその七割でな」
民のものであるそれがというのだ。
「豊かに暮らしてもらいな」
「国内で金を動かし」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「国をさらに豊かにするのだ」
「だから税は軽いのですね」
「我が国はな、紙に綿や絹の織物を売ってだ」
そうしてというのだ。
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