夢幻水滸伝
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第三百七十九話 アンデスの地でその十五
「そうさせてもらいます」
「それでな」
「それぞれやっていきましょう」
「また会おうな」
「再開の時も楽しみですね」
「ああ」
エチェニケは明るく爽やかな笑顔で応えた、だが。
すぐにふと思い出した様な顔になってだ、アルゲダスにこうも言ったのだった。
「そういえばな」
「何でしょうか」
「自分わしのところに来るまでどないしてやんや」
「この世界で、ですね」
「そや、今も旅人の若いカップルと一緒やろ」
「はい、同居してます」
アルゲダスはその通りだと答えた。
「お二人は従者やと言うてますけど」
「仲間やな」
「そう思ってます」
「冒険者やってんな」
「はい」
そうだというのだ。
「エチェニケさんとお会いするまでは」
「そうやってんな」
「はい」
こう言うのだった、
「僕は」
「わしのこと聞いてリマに来るまではか」
「冒険者やってました」
「そやってんな」
「流れ流れてって感じで」
「そういえばめっちゃ凄い冒険者おるって聞いてたわ」
エチェニケはアルゲダスに話した。
「このペルーでな」
「そうでしたか」
「どんなクエストも解決する」
「凄腕の冒険者ですか」
「そうしたモンがおるってな」
その様にというのだ。
「聞いてたけどな」
「それが僕でした」
「そやってんな」
「僕は人からの悪い評価は気にしますけど」
「ええ評価はかいな」
「どうもあまり頭に入らへんで」
そうであってというのだ。
「無意識のうちに慢心せえへん様に気にしてると思います」
「それでやな」
「はい」
その為にというのだ。
「それで、です」
「成程な、しかしな」
「それでもですか」
「それが自分の謙虚さと温厚さになってるならな」
「ええですか」
「悪い評判を気にして行いを正してな」
そうしてというのだ。
「ええ評価を慢心になると思って気にせえへんならな」
「それならですか」
「それはそれでな」
「そうなのですね」
「それでずっとかいな」
アルゲダスを褒めてからあらためて話した。
「こっちの世界でやな」
「冒険者やってました」
「三人でか」
「そうでした」
「色々あったやろな」
「それなりに」
「ほなな」
それならとだ、エチェニケはあらためて話した。
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