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第百五十七話 下品な奴その十三

「今中日にいるけれど」
「あの人もそうよね」
「もうね」
「いるとチームの成績落ちるわね」
「打ってもね」
「時々ね」
「そうだけれど」
 それでもというのだ。
「それ以上にね」
「いたら雰囲気が悪くなる」
「チームのね、日本人でもね」
 それでもというのだ。
「そんな人いるし」
「だから」
「もうね」
 それこそというのだ。
「そこはね」
「日本人も関係ないわね」
「そう思うわ、ああした人が阪神にいたら」 
 留奈は嫌そうに言った。
「嫌だしね」
「いるだけでチームの雰囲気悪くなるから」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「もうね」
「あの人はいらない」
「そうよ」 
 心から言った。
「ちゃんと活躍してくれてチームの雰囲気も悪くしない」
「そんな人がいいのね」
「ええ、そしてね」
「そして?」
「それ言うと新庄さんなんかはね」
 新庄剛志、彼はというと。
「今は日本ハムの監督さんだけれど」
「最初阪神におられたし」
「だから言うわ、ああした人こそね」
「いて欲しいのね」
「打率悪かったけれど」
 そして三振も多かった。
「けれどね」
「それでもよね」
「チャンスに強くて長打力あって」
 そうした選手であってというのだ。
「強肩で足も速くて」
「守備もよかったのよね」
「もうセンターにいれば」
 このポジションにというのだ。
「それだけでね」
「有り難かったのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「あの人はね」
「それで新庄さんなら」
「国籍関係なく」
 それでというのだ。
「もうね」
「有り難いわね」
「阪神にいてくれたらね」
「そうなのね」
「白人でもそうで」
「アフリカ系でもで」
「そしてラテン系でもよ」 
 即ちヒスパニックでもというのだ。
「性格がよくてね」
「活躍してくれたら」
「もうね」
 それこそというのだ。
「文句なしよ」
「国籍関係なしね」
「若しもよ」
 留奈はアメリカの娘にこう前置きして話した。
「大谷翔平さんが阪神に来てくれたら」
「いや、それはね」
 アメリカの娘はすぐに答えた。
「流石にね」
「ないわよね」
「有り得ないわよ」
 絶対にという口調であった。
「どう考えても」
「だから例えよ」
 留奈もそこは断った。
「大谷さんはもうね」
「ずっとメジャーよね」
「あそこにいるから」 
 だからだというのだ。
「もうね」
「阪神に来ることはないわね」
「だから仮定でね」
 その若しも、という言葉に対して話した。
「言ってるのよ」
「そうよね、やっぱり」
「ええ、それで阪神に来てくれたら」
 その仮定をさらに話した。
「いいしね、人種に関わらず大谷選手クラスなら」
「いいのね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「もう人種なんて関係ないわ」
「その人それぞれね」
「やっぱりね」
「その考えいいわよ」
 アメリカの娘は留奈の話をここまで聞いて微笑んで言った。
「本当にね」
「そう?」
「偏見ないのはね、その考えずっと持っていてね」
「そうしていくわね」
 留奈も約束した、彼女も微笑んでいる。
「これからも」
「お願いね」
「ええ、いいっていうものは持っていないとね」
 微笑んだまま言った、そうしてそのうえで二人で巡っていった。それは楽しい時間であり留奈も彼女も満喫出来た。


第百五十七話   完


                   2024・11・8

 
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