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ハッピークローバー

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第百五十七話 下品な奴その十一

「下品で無教養でマナーも礼儀もない」
「最低な連中よね」
「スポーツする資格ない位までのね」
 そこまでのというのだ。
「一家揃ってよ」
「最低な連中よね」
「西成生まれでなくてもね」 
 留奈はさらに言った。
「大阪もっと言えば世界の何処に生まれても」
「ああした連中だから最低ね」
「あの連中は性格が最低だからよ」
 その為にというのだ。
「最低でね、それこそ被差別部落とかね」
「問題じゃないわね」
「ヤクザ屋さんはヤクザ屋さんだし」
 こうした連中の話もした。
「やっぱり生まれじゃなくてよ」
「ヤクザ屋さんだから問題よね」
「人間としてね、それでね」
 そうであってというのだ。
「私は部落差別もね」
「わからないのね」
「大体日本出たら」
 そうなればというのだ。
「他の国の人日本人って思うだけでしょ」
「そんなこと気にしないわね」
「そうだしね」
「それこっちでもよ、私がメキシコ系でも」
 こう留奈に言った。
「あんたも皆もアメリカ人で終わりよね」
「ラテン系のね」
「それだけよね」
「アフリカ系の娘でもね」
「アメリカ人よね」
「うちの父方のお祖父ちゃんポンセって野球選手好きだったのよ」
 横浜太洋ホエールズ今のDenaベイスターズで活躍した助っ人である、俊足強打と明るい人柄で知られている。
「アメリカ人と思っていたわ」
「その人私も知ってるけれど」
 アメリカの娘はすぐに言葉を返した。
「プエルトリコ出身よ」
「お祖父ちゃん今も気にしてないから」
「アメリカ人ってことで」
「認識してね」
 そうしてというのだ。
「今も好きなのよ」
「そうなのね」
「差別ってその国や地域から出たら」
 そうすればというのだ。
「何でもないわよ、在日の人も済州島の人多いっていうけれど」
「あの島もよね」
「あちらじゃね」
 韓国ではというのだ。
「韓国の娘に聞いたけれど」
「差別されてるのよね」
「何処でもあるのよね、差別って」
「どの国でも」
「嫌になる位にね」
「アメリカだけじゃないわね」
「けれどその国を離れたら」
 そうすればというのだ。
「別にね」
「差別されないわね」
「私から見たらね」
 留奈はアメリカの娘の顔を見て言った。
「あんたアメリカ人よ」
「メキシコ系でも」
「そう、メキシコ系でもね」
 それでもというのだ。 
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