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ハッピークローバー

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第百五十七話 下品な奴その九

「問題は不法の人達で」
「殆どの人達は違うわね」
「ええ。けれどね」
「皆不法とか言うのね」
「そんな感じでね」
「それで煽るから」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「私も嫌なのよ」
「そうした人達が」
「そう、そしてね」
「そして?」
「もう一つ気になるのは」
「何?」
「宗教のことね」
 こちらのことだというのだ。
「メキシコってカトリックでしょ」
「スペインの植民地だったからね」
「スペインがカトリックだから」
 その信仰はというのだ。
「だからね」
「メキシコもそうよね」
「中南米全体がね」
「そうよね」
「けれどアメリカって元々プロテスタントでしょ」
「イギリスだったからね」
「イギリスからの移民の人からはじまった国だし」
 ピルグリム=ファーザー達がその代表である、その為初期のアメリカでは清教徒的な価値観も強かった。
「だからね」
「プロテスタントが強いわね」
「WASPっていうと」
 この言葉はというと。
「ホワイト、白人で」
「アングロサクソンね」
「あんたも知ってるわね」
「ここアメリカ人も多いからね」 
 八条学園にはというのだ。
「だからね」
「知ってるわね」
「それで最後がね」
「そう、プロテスタントよ」
「人種は白人で」
「民族はアングロサクソンでね」
「宗教はプロテスタント」
 こうアメリカの娘に返した。
「アメリカの主流は」
「そうだったからね」
「今はかなり変わったわね」
「マッカーサーさんなんかはね」
 進駐軍総司令官だった彼はというと。
「白人でもね」
「あの人ケルト系なのよね」
「そう、アングロサクソンじゃないのよ」
 それは名前にも出ている、彼の名前を英語で正式に呼ぶとマックアーサーとなるがマックはケルト系の名前の特徴の一つなのだ。
「そもそもね」
「そうよね」
「スコットランド系でね」
「カトリックで」
 信仰はというのだ。
「WASPじゃなかったのよ」
「白人っていうだけで」
「そう、当時のアメリカだとね」
 それこそというのだ。
「主流じゃなかったのよ」
「日本じゃアメリカ人の代表の様に思われてたのよね」
 留奈はこう話した、少なくとも進駐軍最高司令官であった時は彼はまさにそうした人物と日本では評価されていた。 
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