ハッピークローバー

「やっぱりね」
「差別しないことね」
「それで罵ったりしないで」
「品性位守らないとね」
「そう、差別する奴ってね」
　留奈はこれまで以上に嫌そうな顔で話した。
「下品よね」
「アメリカで煽ってる連中もね」
「そうよね」
「息をする様に罵って」
　そうであってというのだ。
「言葉もね」
「下品よね」
「それで煽られてる連中は」
　その差別主義者達はというと。
「頭が悪いわ」
「馬鹿だから煽られてね」
「騙されてるから」
　だからだというのだ。
「頭が悪いわね」
「どうしようもない位にね」
「そうよね」
「どうせ煽る連中なんてね」
　そうした輩共はというのだ。
「支持する人のことなんて何も思ってないから」
「利用するだけよね」
「自分のことだけ考えていて」
「その連中の為に何もしないわね」
「ただ騙すだけで」
　そして利用するだけでというのだ。
「自分だけがいい」
「そんな風に決まってるわね」
「絶対にね」
　間違いなくというのだった。
「それこそ」
「そうよね」
　確かにと頷いた、そしてだった。
　留奈は考える顔でだ、アメリカの娘に言った。
「あんたは攻撃される方よね」
「アメリカだとね」
　アメリカの娘も否定しなかった。
「メキシコ系、ヒスパニックだとね」
「少数派だから」
「ヒスパニックっていっても色々だけれどね」
「キューバ系の人もいるわね」
「ドミニカとかジャマイカとかね」
「多いわよね」
「プエルトリコだってね」　
　先程話に出たこの島出身の人達もというのだ。
「そうだしね」
「多いわよね」
「そうなのよ」
　これがというのだ。
「アメリカでもね、数もルーツも多いけれど」
「少数派よね」
「マイノリティーよ」
　実際にというのだ。
「そうなるわ」
「それで昔からよね」
「差別もあったのよ」
「そうよね」
「元々テキサスってメキシコだったけれどね」
「カルフォルニアもね」
「戦争に負けてね」
　米墨戦争である、アラモの砦の戦いはその原因となった。
「アメリカに取られたのよ」
「そうだったわね」
「だからかつてはね」
「テキサスもメキシコで」
「私と家族は故郷に戻ったって」
　その様にというのだ。