冥府の寺
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第三章
「ですから」
「わかりやすいな、だが修行を続けてもいいならな」
「色々教えてくれますか」
「そうしていこう」
自分もサラダを食べつつだった。
大山は池田に修行をつけさせていった、冥界でしかも夢の中なので文字通りに死ぬ様な修行だったが場所が場所だけに死ぬことも怪我をすることもなく。
池田は朝から晩まで寝ることなく修行を続けてだった。
「もう私が教えることはない」
「俺世界最強になったんですね」
「そうなった」
「そうですか」
「これまでよくやった、これでだ」
「俺もてますね」
「いや、だからもてるだのだ」
大山は池田に咎める顔で話した。
「そうしたことはだ」
「考えないことですか」
「そうだ」
こう言うのだった。
「お前は邪念は消えなかったな」
「おてないっていうのは自然ですよね」
「それはそうだが」
「あれですね、武道なので」
「純粋に心身を鍛えるとな」
「いやあ、そういうの嫌なんて」
池田の性根は変わっておらず笑って返した。
「ですから」
「それでか」
「はい、これでもてます」
「全く、強くなったのは確かだと言っておく」
大山は憮然として言うだけだった、ここで池田は目が覚めた。そうして実際に空手の技をやってみると。
全く違った、身体能力も学校の体育の授業で驚くまでに上がっていた、これでもてると確信したのだが。
「今度は頭か」
「学校の成績いいともてますよね」
また道場に行って谷崎に話した。
「ですから」
「それでか」
「はい、今度はです」
「学校の成績がよくなる様にか」
「東大に合格する位に」
一晩でそこまで頭がよくなるまでにというのだ。
「なりたいです」
「努力しないでだな」
「はい、お願いします」
「またもてたいが為にか」
谷崎は顔に仕方のない奴だという感情を露骨に出してだった。
そのうえでまた手紙を書いた、そのうえで池田に渡すと。
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