そこまで切羽詰まっているのか
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第五章
「いいみたいでな」
「それでか」
「兵隊が幾ら死んでもな」
「どうでもいいんだな」
「ああ、それでな」
「好きに扱っていいんだな」
「それで幾ら死んでもな」
そうなろうともというのだ。
「いいんだよ」
「それはまた大概だな」
シェイスキーも聞いて呆れた。
「うちよりも酷いな」
「遥かにな」
「うちも結構なものだと思うがな」
「どんどん死んでいってるしな」
「けれどな」
それでもというのだ。
「あっちはな」
「その俺達より遥かに酷いな」
「ああ、それでだな」
シェイスキーはあらためて言った。
「今こうしてな」
「俺達は連中の後ろにいてな」
「銃持ってな」
「あいつ等が逃げそうならな」
その時はというと。
「遠慮なくな」
「撃っていいんだな」
「あまりにも役に立たないからな」
北朝鮮の兵士達がというのだ。
「もうこうしたことしかやらせられないんだよ」
「人間の盾だな」
「懲罰大隊みたいにな」
そうした感じでというのだ。
「やらせていてな」
「それでか」
「ああ」
まさにというのだ。
「消耗品扱いだ」
「そういうことだな」
「じゃああいつ等が逃げそうならな」
「遠慮なくだな」
「撃てばいいんだよ」
「味方を撃つなんてな」
シェイスキーは苦笑いを浮かべて話した。
「幾ら戦争でもな」
「やっちゃいけないものだな」
「ああ、しかしな」
シェイスキーはこうも言った。
「連中も撃つしな」
「俺達をな」
「どういう訳かな」
「ドローンどころかな」
「それでだな」
「お互い様でもあってな」
それでというのだ。
「これが戦争だよ」
「勝つ為には何でもするんだな」
「味方でもあんまりにも役に立たないで」
そうであってというのだ。
「そっちのトップがいいっていうなら」
「撃ってもいいな」
「そうだよ」
こうシェイスキーに話した。
「それが戦争だよ」
「そういうことだな」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「撃とうな」
「俺達は言われたことをやるんだな」
「それだけだよ」
「兵隊はか」
「もう余計なことは考えなくてな」
そうしてというのだ。
「撃てばいいんだよ」
「そういうことだな」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
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