夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百七十九話 アンデスの地でその二
「私達を守ってくれますか」
「それがわしのすることですね」
「どうでしょうか」
「ええですね」
エチェニケはそれならと答えた。
「ほなです」
「そうされますね」
「これから」
「ではそのことを近所の皆にお話しますので」
「そやからですか」
「お願いします」
「わかりました、後は家ですね」
エチェニケはやることが決まってから今度はそちらだと言った。
「どないしよかですね」
「家でしたらうちの二階が空いています」
老人が言ってきた。
「ですから」
「そこに入ってですか」
「暮らされては、食事も用意します」
「何か悪いですね」
「悪いでしょうか」
「住むところに食事までとは」
「いえいえ、自警団を立ち上げられますね」
「まずは一人で」
エチェニケはそうしてと答えた。
「そのうえで」
「それならです」
「ええですか」
「お家や食事位は。では」
「はい、宜しくお願いします」
「それでは」
こう話してだった。
エチェニケは自警団を立ち上げた、すぐに老人と老婆が彼のことを近所に話した、すると皆彼を頼ってだった。
何かあるとすぐに呼んだ、彼はそれに応えて盗人や暴漢を次から次に倒していった、そして無欲で義理人情に篤い行動を採っていてだった。
誰もが彼を慕う様になった、それでだった。
「気付けばです」
「結構な数になっていますね」
「自警団も」
「はい」
老夫婦と共に食事を採りつつ話した。
「今は」
「街の若者が集まり」
「二十人位になっていますね」
「そしてその二十人で、ですね」
「この辺りの治安を守っていますね」
「そうなっています」
パンを食べつつ話した。
「ほんまに。ただ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「自警団は簡単にです」
こう前置きして言うのだった。
「マフィアになるので」
「よくないですか」
「そうなのですか」
「法のコントロールを受けへんと」
そうでなければというのだ。
「勝手なことをしだして」
「そうしてですか」
「マフィアになりますか」
「そうなりますんで」
だからだというのだ。
ページ上へ戻る