シャーロック=ホームズの悩み
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第三章
「そうしようか」
「あの赤いバスにだね」
「二階建てのね」
「自動車が出てきて何時しか皆乗る様になって」
「僕達も一台持っているね」
「風情のあるね、そして今ではロンドン名物の一つの」
「あのバスに乗ってだよ」
そのうえでというのだ。
「お店に行こうか」
「ではね、タクシーで行ってもいいけれど」
「高いしね」
「バスで行こう」
こう話してだった。
二人でバスに乗りその店に行ってパイプと煙草があるか聞いた、幸いどちらもありここぞとばかりに多く買ってだった。
買い置きにすることにした、ホームズは新しいパイプを咥えてそのうえで事務所に帰ろうとしたが。
自分で気付いてだ、こう言った。
「今は駄目だったんだ」
「道で吸うこともね」
「出来なくなったよ」
「吸うのは喫煙場所でだよ」
「ちゃんと決められたね」
「吸わない人が主流になって」
それでというのだ。
「もうだよ」
「道で迂闊に吸えないよ」
「若し吸えば」
道で煙草、パイプでもだ。
「マナー違反でまして歩き煙草なんて」
「最低のマナー違反だね」
「そうなっていてね」
それでというのだ。
「出来ないよ」
「そうだね」
「若し煙草の火で擦れ違った人を火傷させれば」
「もう賠償だの話になるよ」
「子供さんにそうされたら」
その時はというと。
「君は殺人犯に準ずる悪党になる」
「今はね」
「そうなるからね」
だからだというのだ。
「しては駄目だよ」
「紳士でなくてもだね」
「人間であるなら」
それならというのだ。
「もうだよ」
「してはならないことで」
「君も守らないとね」
「咥えるだけでもだね」
「駄目だよ、パリのメグレ警部もぼやいていたじゃないか」
「今は取り調べ中にパイプを咥えられない」
「そう言ってね」
それでというのだ。
「ぼやく位だよ」
「今はね」
「だから君も」
「事務所に帰って吸うことだね」
「もうお昼は買ったし」
「サンドイッチとパックの牛乳を」
「林檎も買ったよ」
青い林檎を見せた、イギリスでは林檎と言うとこちらの色の林檎であるがそれを出してホームズに見せた。
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