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八条学園騒動記

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第七百八十五話 壊血病その七

「そうしたところには」
「かなり特殊な事例だね」
「それでもあると言えばね」
 そう言えばというのだ。
「あるわ」
「そうなるんだね」
「そうよ、ただその頃は」
「大航海時代とかは」
「海にいたら」
 それこそというのだ。
「職業病と言っていい位にね」
「多かったね」
「それでね」 
 蝉玉はさらに話した。
「鄭和さんはね」
「船の甲板に畑置いて」
「そこでお野菜作ってね」
「それを食べてだね」
「壊血病にならない様にしていたのよ」
「それは凄いね」
「わかってたのよ」
 蝉玉は微笑んで言った。
「当時の中国人は」
「壊血病のことを」
「どうしてなるかをね」
「漢方医学だね」
「それでわかっていてね」
 それでというのだ。
「ちゃんとね」
「対処していたんだ」
「そうだったのよ」
「漢方医学も凄いね」
「このことは資料が見付かる前からわかっていたの」
 鄭和の航海のというのだ。
「お野菜のことはね」
「そうだったんだね」
「兎に角大きな船だったから」
 鄭和の船団の船はだ、大航海時代のスペインやポルトガルの船と比較してもその大きさは相当であった。
「だからね」
「それでだね」
「そう、だからね」
「船の甲板でお野菜も作れたんだね」
「畑もうけてね」
「成程ね」
「そう出来たらいいけれど」
 トムはそれでもと言った。
「まあ普通はね」
「出来ないよね、当時は」
「どう考えてもね」
「そうだよね」
 スターリングと蝉玉にまさにと応えた。
「それでクックがザワークラフトとか果物積み込むまでは」
「どんどん壊血病になって」
「大変だったのね」
「そうだね」
「海賊がそうで」
「船乗りの人達全体がね」
「そうだね、しかし」
 それにというのだった。
「倭寇の人達はなってたかな」
「なってなかったでしょ」
 すぐにだ、ペリーヌが答えた。
「だって朝鮮半島目と鼻の先で」
「中国だって」
「だからね」
「壊血病にならないで」
「大暴れしてたんでしょ」
「そのこともあって強かったんだね」
「そう、そしてね」
 そうであってというのだ。 
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