八条学園騒動記
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第七百八十五話 壊血病その二
「物凄いのだったんだよね」
「そう、それでそういうのもなくなったら」
「蛆ごと食べるものは」
「鼠でも木屑でも食べて」
「物凄かったね」
「そんな風だったから」
それでとだ、ペリーヌは話した。
「壊血病にもね」
「なったね」
「そうなのよ」
まさにというのだ。
「当時の海賊とか船乗りはね」
「そりゃ死ぬ人多いね」
「だから平均寿命もね」
それもというのだ。
「二十代だったのよ」
「それだけ沢山の人が死んだんだ」
「そうなのよ」
「そういうことだね」
「あと衛生的にも、だったから」
この問題もあったというのだ。
「だから疫病もね」
「船の中で流行したんだ」
「もう逃げ場ないでしょ」
「そうだね」
トムはすぐに答えた。
「狭い船の中だとね」
「周りは海でね」
「それだとね」
「もうペストにでも出たら」
その時はというと。
「船員全体がよ」
「ペストにやられて」
「全滅よ」
「そうだったんだね」
「そうした状況だったからね」
「海賊の平均寿命短かったんだね」
「当時の船乗りの人達もね」
そうだったというのだ。
「二十代だったから」
「本当に滅茶苦茶短いね」
「もうすぐに死ぬ」
「船に乗って」
「そんな風だったのよ、あと飲みものお酒ばかりだから」
水を積んでもすぐに腐り飲むものはそれしかなくなるのだ、酒が好きなだけ飲めるので海賊になる者もいた。
「肝臓がね」
「壊れて」
「それでよ」
このことからもというのだ。
「死ぬ人も多かったのよ」
「そっちの問題もあったんだ」
「もう兎に角ね」
それこそというのだ。
「海賊はすぐに死ぬ」
「船乗り自体が」
「そうだったのよ」
「そう聞くといいものじゃないね」
「私もそう思うわ」
「そうだね」
トムはペリーヌの言葉に頷いた。
「お話を聞くとね」
「そうよね」
「まあ大航海時代ってね」
トムはこの時代の話をした。
「侵略の時代だからね」
「そうそう、欧州のね」
「そのはじまりなのよね」
スターリングと蝉玉も言った。
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