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ハッピークローバー

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第百五十七話 下品な奴その五

「そんなことはね」
「言うまでもないわね」
「そうよ」
 それこそというのだ。
「自分達しかないのに」
「そんな連中はね」
「目をかけるといっても」
「利用するだけね」
「内心馬鹿にしてね」
「その馬鹿にされてることも気付かないで」
「目をかけてると思って」
「その連中が力持ってたら」
 そうであるならというのだ。
「へいこらしてね」
「媚び諂うのね」
「そして自分より弱かったり嫌いだったら」
「差別するのね」
「そうした連中に諂ってね、それでね」
 留奈は実に嫌そうに話した。
「自分達は日本が好きだ愛しているとか言うのよ」
「愛国者ってこと?」
「そうだっていうのよ」
「いや、自分の国を好きなのは自然なことで」
 アメリカの娘はすぐに言った。
「私だってね」
「アメリカ好きよね」
「色々問題あるけどいい国よ」
 そうだというのだ。
「凄くね」
「それで好きなのね」
「愛しているし、けれどね」
「差別主義者は嫌いよね」
「白人至上主義だってね」
 アメリカの差別は複雑でありその白人の間でもアイルランド系やイタリア系は差別されてきた歴史がある。そして黒人至上主義も存在していたりする。
「嫌いよ、けれど全体的に見てね」
「いい国なのね」
「テキサスもね」
 自分が生まれた州もというのだ。
「そうよ」
「そうなのね」
「その国に生まれ育ったら」
 そうしたらというのだ。
「普通にね」
「愛国心は持つのね」
「皆そうでしょ」
 留奈にこう返した。
「それこそね、どの国の人も」
「そうね、それぞれのお国が好きよね」
「そのうえで日本に来てるでしょ」
「この学園にね」
「だからね」
 それでというのだ。
「普通よ、けれどその国が好きでも」
「祖国が」
「差別していいか」
「ならないわね」
「ちゃんとしたモラルやマナーがないとね」
 そうでなければというのだ。
「品性はね」
「ちゃんとないとね」
「駄目よ」 
 絶対にというのだ。
「本当にね」
「その通りよね、日本が好きでも」
「差別したっら駄目でしょ」
「そうよね、じゃあそんな連中は」
「愛国者っていうなら」 
 自分達がというのだ。 
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