負けたと思った時
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第四章
「創作の世界は果てがないな」
「生み出した人勝ちだな」
「西鶴さんがそうでな」
「聖闘士の人もな」
「ああ、とてもな」
「勝てないか」
「実際俺はもう女遊びはな」
大友は今度はジントニックを飲みつつ語った、カクテルのグラスを置いてから小さく嘆息して述べた。
「そろそろな」
「終わりか」
「さっき言ったな、十代の頃と比べて」
「落ちてきたんだな」
「驚く位な」
そこまでというのだ。
「体力はあって食欲も変わらないけれどな」
「そっちはか」
「かなり落ちたよ」
「そうなったんだな」
「若くないどころかな」
それこそというのだ。
「すっかりな」
「落ちたか」
「ああ」
そうだというのだ。
「実感してるよ」
「人間歳を取るとな」
「落ちるな」
「何でもっていうけれどな」
「体力や食欲は落ちなくてもな」
そうであってもというのだ。
「そっちは確実にな」
「落ちるな」
「女の人はな」
大友は異性の話もした。
「むしろ三十代になってからな」
「そっちの欲が出るっていうな」
「実際三十代の女の人は」
自分が遊んだ経験から話した。
「そうしたところ凄いよ」
「実際にか」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
「その女の人だって三十代が終わったら」
「落ちるか」
「歳でな」
その為にというのだ。
「四十代の人とも遊んだけれどな」
「三十代の頃と比べるとか」
「落ちるな、三十代が凄くて一気にってな」
それこそというのだ。
「落ちる人が多いかもな」
「女の人も歳取るしな」
「それでな」
その為にというのだ。
「人間誰もな」
「落ちるか」
「ずっと絶頂なんて人なんていなくてな」
「そうしたことでもな」
「そして俺もだ、人は何時か絶対に死ぬし」
「落ちもするか」
「そうだよ、だから俺もそろそろな」
友人に達観した様に話した。
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