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彼は いつから私の彼氏?

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10-8

 翌週からの練習では、莉子とひなたの声が響いていて、張り切っているのがわかった。しばらくすると、1年生全員に伝わっていて、彼女達のヤル気が2年生をも圧倒していたのだ。あの二人が完全に1年生を引っ張っているのだ。

 美麗先輩も、合間に練習に参加してくれていて、その代わり様に驚いていたのだ。

「若葉 どうしたの? 雰囲気が全然ちがうね」

「はぁ どうしちゃたんでしょうねー 先輩 来年の太子女学園は もっと 強くなりますよ」

 そして、期末考査を迎えて、その成績発表があって、学年トップは若葉だったのだ。2番の大路輝葉に5点差をつけてのトップ。私は 又 3番。

「若葉 やったわねー」

「うん 頑張ったと思う」

「でもさー 学年トップで全国優勝のクラブを率いてのキャプテンやろー 文武両道の鏡やなー 学園のスターヤン」

「やめてよー スターは花梨やろー」

 その花梨のスター騒動も落ち着いてきてるんだけど、花梨は成績ランクで8位に顔を出していた。香も6位なのだ。練習の後、コーチに4人が呼び寄せられて

「今日 校長に呼ばれたのよ あなた達 成績優秀らしいわね 10位までの内に4人が名前連ねてるって 4人以外は みんなSクラスなんだって 運動も学業も一生懸命取り組んでくれて素晴らしいってネ 文武両道そのものだって 私 褒められちゃったの 指導が良いからだって」

「へぇー コーチ 褒められたんですかー じゃぁー 給料もアップしますかぁー?」

「こらっ そんな話じゃぁないの! でも あなた達には感謝してるわー 私が見てきた中では最高よ! 校長先生はね あなた達のこと 太子女学園の四天王だって言ってたわよ」

「ワォー ウチ等 神様になったんかー」

「花梨 四天王って 神様ちゃうんちゃう?」と、香が冷たく言っていたけど

「ちゃうで 四天王は守護神で守り神なんよ」と、若葉が訂正していたのだ。

「あー でも 守りってあかんやんかー 攻撃しやなー 来年も攻撃あるのみやー」と、私が言うと

「ふふっ そーやー 来年も 突き進もーなー」と、若葉は締めくくるのだ。

帰ってきたお母さんが 「水澄ちゃん すごいわね 今度もクラストップよ」

「あかん 又 3番目や 若葉に勝たれへんかった」

「3番って 学年ででしょ 頑張ってるじゃぁない ねぇ 達樹?」

「う うん すごいことだ あの太子女学園だからなー」

「ダメなのよー トップじゃぁ無いと 私 必死に頑張ってきたつもりよ でも 成績も・・・全中でも負けてしまった 後一歩が届かない お母さん 私 これ以上どうすれば・・・」と、涙が出て来てしまったのだ。

「水澄ちゃん もう じゅうぶんよ 泣かないでー 成績だって何点か差だけでしょ あの時の決勝だって1ポイント差じゃぁない 少しよ! 同じじゃぁ無い? 頑張ったわよー お母さんは 水澄ちゃんはえらいと思ってるわー」

「その少しの差が抜かせないの! 若葉なんてキャプテンもやりながら成績ではトップよ! 私は努力が足りないんだわー 卓球でも こうやっている間に後輩とか全国の人が追い上げてきてるんだわー ・・・私 トレーニングしてくる」と、着替えて降りてくると

「そんなこと知るかよー お母さんの娘なんだろー」と、言うお兄ちゃんの声が聞こえていた。

 そして、私が素振りをしていると、お兄ちゃんが外に出て来てしばらく見ていた。多分 お母さんと何か話し合っていて、言われて出て来ているんだろう。

「そんなとこで ぼぉーとしてると風邪ひくよ!」

「うん まぁ お母さんが心配して・・・見守りなさいって 水澄は何かに憑りつかれてるんじゃぁないかって」

「そんなわけないじゃない! 私は トップになりたいだけなの」

「水澄 俺が風呂洗いとか、弁当も自分でやるようになったのに その空いた時間 俺はお前に寝る時間にあてろって言ったのに 勉強時間を増やしただけじゃぁないか」

「うん だってぇー 寝てられへんねんモン」

「あのさー 今の お前に足りないとすると 心の余裕じゃぁないのかなー いつも、目いっぱい走ってー あと一歩だとしても 実力的には充分だよ なぁ 翔琉とはうまくいってるのか?」

「フン! じゃあー 私は 後2歩 努力するだけだよ! ・・・それに、翔琉と逢ってると流されそーで・・・私が逢いたいと思う時だけでいいの 女の我儘よ! お兄ちゃん もう 少しで終わりにするから お願いあるんだけど お風呂の用意してきて 一緒に入って、筋肉ほぐしてくれる?」

「・・・あほっ ・・・お母さんに頼んどく」

「フン 根性無し!」

「それは・・・根性の問題ちゃうやろー 水澄が可愛過ぎるからやー」

 私がお風呂に浸かっているとお母さんが入って来て、私の腕とか脚を揉みほぐしながら

「水澄 もう 充分よ お母さんね 無理やり あの学校に行けって言ったけど、水澄がこんなに頑張る子だとは思ってなかったの 水澄が頑張ってるのって嬉しいわよー だけど 身体壊しでもしたら 悲しいのよー」

「大丈夫だよ 平気! 夏でも 大会の後 お父さんとお母さんが喜んでいるの 私も嬉しかったんだからー でも 次は もっと頑張って トップになるわ!」

「水澄」と、お母さんは私を抱きしめてきてくれて

「お正月にね 水澄ちゃんのお仲間 呼びなさいよ お母さんも2日からお休みだからー 翔琉君もね」

「・・・」

「お兄ちゃん お母さんがねー」と、お風呂から出て、お兄ちゃんの部屋のドァーを・・・

「あわわっ だからぁー いきなり開けるなよー」と、お兄ちゃんはベッドに寝そべっていたのだが

「なんで? 変なことしてたの?」

「いや ぼぉーっとしてただけだけどなー それより お前 パンツだけやんかー そんなで 現れるな!」

「へっ お兄ちゃん 妹なのに 変なこと考えてるのー?」

「あほっ 妹でも・・・ 無茶言うな! いつもいつもよー で なんの用だよー」

「お風呂 空いたよ あのね お母さんがお正月に私の仲間を呼べばーって 翔琉も ねぇ 夏が過ぎたあたりから お母さん 変わったと思わない? なんか 変 前はあんなに会うことでさえ反対してたのにー」

「そうかー いろいろあるんだろうな 良かったじゃないか」

「なによ そのいろいろって?」

「だから まぁ そのーなんだ 水澄が優勝まで行って 仲間の支えって大切なんだと思い直したんじゃぁないか それに、水澄には息抜きも必要なんじゃぁないかって」

「ふ~ん」
 
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