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結婚していてもイケメンなら

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第二章

「こうしてバーで飲むか」
「居酒屋だね」
「はい、キャバクラとかでは」
「飲まないね」
「そうです、他の趣味は応援している男性バンドの応援と」
「野球観戦と読書だね」
「阪神の応援と推理小説読むことです」
 そうしたものだというのだ。
「別にです」
「女性が関わる趣味じゃないね」
「はい、それでどうして人気があるのか」
「だから外見がいいならだよ」
 上司はそれならと話した。
「もうね」
「それで、ですか」
「そうだよ、結婚していて自分達に異性として声をかけなくても」
 それでもというのだ。
「いいんだよ」
「そうですか」
「そう、花だよ」
「見ていて奇麗ならいい」
 内藤はそれでと言った。
「そういうことだよ」
「そうですか」
「俳優さんでも人気が出るのは」
 それはというと。
「華があるからだしね」
「結婚していても」
「女優さんもね。外見がよかったら」
「見ているだけでいいんですね」
「そういうことだよ、まあそれで君に害はないね」
「全く、ストーカーになる人もいないですし」
「そうそうそんな人がいても怖いしね」 
 上司は焼酎を飲みつつ応えた。
「そうした人が出たら警察でもわしでも言ってくれ」
「その時はですね」
「ストーカーとかいう人が出たら」
「言うんだ、けれど困っていないなら」
「そうしたこともある、ですか」
「外見がいいなら」
 内藤も言った。
「それなら」
「そうですか」
「見ているだけで嬉しいものなんだよ」
「そうだよ、だからね」
「だからですか」
「そうだよ、君が道を踏み外さないなら」
 浮気等せねばというのだ。
「いいし君はそうしたことをしないし」
「問題なしですね」
「そうだよ、気にしないでいいよ」
「僕はこのまま家庭生活をしていればいいですね」
「奥さんとお子さん達を大切にね」
「そうしていきます」
 上司に応えてだった。
 内藤は日本酒を飲んだ、その飲む姿も様になっていた。
 内藤はそれからも社内のそして社外の女性社員達から人気だった、だがそれでも彼は彼として生きた。結婚していても人気があるままで。彼が真面目であるので問題は何も起きなかった。


結婚していてもイケメンなら   完


                   2025・1・24 
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