世界の礎
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第三話 統制その八
「敵とみなしてだ」
「滅びますね」
「人は他人を塵芥の様に扱う輩をよく思わない」
そうした輩をというのだ。
「暴力に恐怖し従ってもだ」
「逆らう気力をなくし」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「心からではない、だからその輩が弱まるとな」
「反抗しますね」
「最初から敵とみなしていてな」
そうであってというのだ。
「そうなる」
「それではですね」
「やがて支配に綻びが出る」
そうなるというのだ。
「だからな」
「義青様はそうはされないですね」
「力は見せるがいい条件をだ」
「そちらも見せますね」
「そして共に暮らすのだ」
「この国の中で」
「交流も通婚も許す」
そうしたこともというのだ。
「そして国民なら同じにする」
「法の下で」
「平等にな、そうしていけば」
それならというのだ。
「入る者は多い、武力よりもだ」
「富と寛容ですね」
「それを見せるのだ、だが悪人は許さない」
そう言われる輩はというのだ。
「死刑はだ」
「はい、容赦なくですね」
法務大臣であるムークの初老の女アスが応えた。
「行いますね」
「罪に応じてだ」
「刑罰を与えますね」
「そして極悪人にはだ」
即ち重罪人はというのだ。
「容赦なくだ」
「厳罰を与える」
「そしてだ」
その中でというのだ。
「死刑もだ」
「行っていきますね」
「悪人が裁かれない世なぞだ」
義青は吐き捨てる様にして言った。
「何がいいか」
「そうして善人が困るのならば」
「そうした世は間違っている」
そうだというのだ。
「だからな」
「それ故にですね」
「そうだ、悪人はな」
「容赦せずですね」
「厳罰を与える」
そうするというのだ。
「その中で死刑もな」
「行っていかれますね」
「躊躇なくな、定めた法に従いな」
「行っていきますね」
「そうする、いいな」
「わかりました」
アスはそれではと応えた。
「その様に」
「法もそうする、そしてな」
「悪人を裁く」
「例え街や村から逃げてもな」
そうしてもというのだ。
「この国の中にいる限り追ってだ」
「捕らえてですね」
「取り調べを行い裁判にかけてな」
「罪があれば」
「刑罰を与える」
そうするというのだ。
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