夢幻水滸伝
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第三百七十八話 魔術と信仰その二
「もう安心出来ます」
「ガブリエラ様でしたら」
「ほな市長さんにお話してみます」
ガブリエラはそれならと応えた。
「この街の治水やらせてもらうって」
「はい、ですがお金と人手は」
「どうされますか」
「それは政ですね、そっちもです」
二人にこう答えた。
「やらせてもらいます」
「そうですか、ではです」
「宜しくお願いします」
「ほな市長さんのとこ行ってきます」
すぐにというのだ。
「ほんまに」
「はい、ですが」
ここでシスターが言ってきた。
「ガブリエラ様お家は」
「ここに来たばかりなんで」
ガブリエラは正直に答えた。
「そうですさかい」
「そうですか、では」
シスターは市長に顔を向けて彼に話した。
「あの」
「そうですね」
神父はそれならと応えた。
「丁度空いているお部屋がありますし」
「あちらに入って頂けますか」
「幸いベッドもありますし」
「それでは」
「そうしましょう、ではです」
神父はシスターと話してガブリエラに顔を戻して話した。
「これからですが」
「お家のことで」
「この教会に空いているお部屋がありますので」
「そやからですか」
「ベッドもありますし」
だからだというのだ。
「如何でしょうか」
「お食事も出せます」
シスターはこちらの話もした。
「ですから」
「それで、ですか」
「これからです」
是非にというのだった。
「ここに住まわれますか」
「ええんですね」
「主のお導きです」
シスターもまたこの言葉を出した。
「ですから」
「それで、ですね」
「如何でしょうか」
「実際お家ないですし」
ガブリエラはこの現実から答えた。
「そうやとです」
「困りますね」
「お家がないと」
「はい」
正直に答えた。
「どうにもならへんのが現実です」
「ですからお家ではないですが」
神父はそれでもと言った。
「ガブリエラ様がよければ」
「そのお部屋に入って」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「お暮しになって下さい」
「質素ですが食事もあります」
シスターは今度はこちらの話をした。
「教会の畑で採れたお野菜と浄財で暮らしていまして」
「それで、ですか」
「お食事もありますので」
だからだというのだ。
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