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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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序章 始まりと出会い
  卵

X778年

あれから1年の月日が流れた・・・

「ふぅ・・・今日は近くの町に行って、
 ジェンロー・クエストしかできないからなぁ・・・。」


ジェンロー・クエスト、通称『一般な依頼』。
魔法の使えない人やギルドに介入していない人専用の依頼のことだ。
ただ、報酬はあまり少ない。高くても1万あるかどうかぐらいだからなぁ・・・。
幻で作ったギルドだ、さすがに世間とかに出すわけにはいかないからな、
正式になった訳でもないし・・・。バレたら大変だぞ・・・。
しかし、相変わらず、色んな依頼主からギルドに入ったら?っていうのが多いなぁ。


「合計で1000(ジュエル)か・・・1年でようやく36万(ジュエル)か・・・。」

まだまだ少なかな・・・?
時々、ギルドが作った衣服や織物類などを町で売ったり、
ギルドでの依頼もしてるけど、依頼の方は少ないし・・・。

「(・・・ウェンディのために頑張らないとなぁ・・・。)」

俺はそう思い、歩く。その途中で・・・

「お、あの木の実を持って帰ろうか。うまいからなぁ。・・・ん?」

俺は木の実を取ろうと木に登ったが、そこでとんでもない物を見つけた。

「デカッ!?なんだこれ!!?」

俺は驚いた。とても大きな卵だった。
鳥などの巣はないが・・・。しかももう1個あった。

「なんつう大きさだ。まぁ、ちょっと持って帰ってみるか・・・2つは持ちづらい・・・。」

俺は頑張って2つの卵をギルドまで運んだ。






























「というわけで持って帰ったんだ。」

俺はギルドに戻り、ウェンディに説明をした。

「この卵から何が生まれるんだろう?」

「さあな?」

「ねぇ、私その卵を育ててみたいの。1個いい?」

「あ?構わないが、俺もどんなのが生まれるか楽しみだぜ。」

「じゃあ一緒に育てよう。もう1個のほうが可哀そうだから。」

「・・・そうだな。親がいないこの卵は前の俺達みたいなもんだからな。」

「頑張ろうね、お兄ちゃん。」

「ああ。じゃあ卵を温める準備をするか。」

俺は毛布を持ってきた。

「これで俺達が抱えて、卵を温めるんだ。」

「うん、私もやってみる。」

































翌日の昼・・・

「どうじゃ、卵は生れたかの?」

じいさん、いや今はマスターだったな。

「まだなんだ。」

「なかなか生れないの・・・。」

マスターだけでなく、見に来た他の仲間達もいた。

ピキッ

「ぴきっ?」

「もしかして・・!」

ウェンディは自分が抱えている卵を見てみた。そこにはひびが入っていた。

ピキ、ピキッ

「あ、俺のも!」

ピキキキキッ、パカーン!

「きゃーん!」

「猫!!!??」

「しかも羽が生えておる!?」

ぱたぱたぱた

「「「・・・・・。」」」

「きゃんっ!」

「可愛い!!」

「お、もう1個の方も生れるんじゃね!」

ピキキキキッ、パカーン

「産れたよ!!」

「ほう、この子もメスか。」

「・・・・・・・。」

「?」

この猫、さっきのとは違って、何か変だぞ・・・。
何というか・・・暗い・・・?そんな様子だった。

「おい。」

「・・・!」

「大丈夫か?」

「・・・(コクン)。」

猫は頷く。

「ねーねー、名前は何にする?」

「ん?んー・・・こっちの猫はウェンディが決めてくれ、
 お前が暖めた卵から産れたし。」

「いいの?」

「いいも何も、お前が暖めたんだろ?お前が決めるのは当然だ。」

「うん、分かった!」

「よし!おーい、そこの猫!」

「きゃ?」

「お前だよ、お前の名前はミントでいいか?女の子ぽいし、
 緑色の毛で今日の依頼でミントの葉もらったし、
 名前的にいいと思うんだが・・・。」

「きゃー!!」

「お、気に入ったみたいだ。」

「うーん、じゃあ・・・シャルル!」

「ほぉう、いい名前だな。それでいいか?」

「・・・(コクン)。」

シャルルはそう頷いた。

「・・・・・・。」

「どうかしたか?」

「・・・(フルフル)。」

「そうか。」

こうして、俺達に新しい家族が増えた。
でも、シャルルはミントの事をあまりよくは思ってはいなかった。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。オリキャラのミントを出しました。
猫を出すならこれと前から考えていました。次も話が結構飛びます。お楽しみに~! 
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