夢幻水滸伝
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第三百七十七話 ベネズエラの栄光その十二
「出発するわ」
「そうされますね」
「お風呂はまずサウナに入ってな」
「汗をかかれ」
「思いきり汗をかいて」
まずはそうしてというのだ。
「それから冷たいお水に入る」
「水風呂に」
「そこで一気に身体を冷やして」
そうしてというのだ。
「お酒も抜いて」
「また入りますね」
「そうするわ」
こう言うのだった。
「それでや」
「すっきりされてですね」
「出発するわ」
「それでは」
「いや、酒もええが」
ピエトリは実際に酒を飲みつつ応えた、赤ワインは実に美味く幾らでも飲めると思いつつ飲んでいる。
「その後でな」
「朝に起きたら二日酔いになるのは」
「避けられんからな」
「飲み過ぎますと」
「そやからな」
だからだというのだ。
「ほんまな」
「二日酔いになれば」
「苦しくてもな」
二日酔いで頭が痛く疲労感があろうともというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「鍛錬をして」
「汗をかかれ」
「そしてな」
「お風呂に入られますね」
「そうするわ、水風呂も入って」
入浴の中でというのだ。
「すっきりしてな」
「そのうえで、ですね」
「船に乗ってな」
「南極に行かれますね」
「そうするわ」
まさにというのだ。
「そして調べてくるわ」
「宜しくお願いします」
「それでな」
ピエトリは肉も食べつつ話した。
「ガブリエラちゃんのこれまでのこともな」
「私のですか」
「聞きたいけどな」
こう言うのだった。
「あかんか」
「大した話やないですが」
ガブリエラはこう言って断ろうとした。
「ええですか」
「ええで」
にこりと笑って返事をした。
「そういう話程面白いもんや」
「大した話やないと断る様な」
「そうした話こそな」
まさにというのだ。
「そやからな」
「これからですね」
「話してくれるか」
「それでは」
彼も頷いてだった。
そのうえで話をはじめることにした、彼女自身酒を飲んでいてそれで赤らんだ顔でピエトリに話した。
「飲みながら」
「よろしゅう頼むで」
「お話させて頂きます」
「ほなな」
「まさかです」
「こうしてやな」
「自分のことをお話する機会があるとは」
その様にというのだ。
「思いませんでしたが」
「そうでしたか」
「はい」
それでもというのだった。
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