おぢばにおかえり
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十三話 回廊ひのきしんその八十二
「人間ですらないって」
「私もそう思うわ」
「こんな奴には絶対にならないって」
「反面教師にしてるでしょ」
「今も」
「それがね」
まさにです。
「お引き寄せよ」
「ああはなるまいって思うこともですね」
「そうよ、ただ新一君は全否定するから」
嫌いな相手をです。
「そこはね」
「問題ですね」
「どんな人でもいいところはあるから」
「ないなら人間じゃないですか」
「引っ掛かる言い方だけれど」
「人間腐り過ぎると人間じゃなくなって」
こんなことを言ってきました。
「人間って心で人間になりますから」
「新一君の嫌いな人によくある」
「もう心が人間じゃない」
そうしたというのです。
「そんな奴はどうでしょうか」
「そんな人は稀でしょ」
私はこう返しました。
「流石に」
「けれどいますか」
「いるにしても」
それでもです。
「やっぱり人間性って」
「ありますか」
「そうでしょ、それでね」
「いいところはですね」
「そんな人でもね」
そういえば特撮で時々出てきます、邪悪と言うしかない人が。新一君が言うみたいな人はそちらでも見ます。
「やっぱりね」
「人間ならですか」
「いいところはあるわ」
「人間ならですね」
「新一君は人間未満の人に出会ってきたのね」
「何人か」
「何人かってのが凄いわね」
それだけで、です。
「まだ十代で」
「これもお引き寄せですね」
「そうね、そこからね」
私は新一君に言いました。
ページ上へ戻る