お正月に食べるもの
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第二章
「絆や幸運の象徴として」
「元旦やし」
「食べるんだ」
「今年も仲よく幸せに」
「なれる様にね。地域によっても食べるパンやお菓子があるよ」
「何や、あるやん」
長谷川はミッターマイヤーに言われて頷いた、今会社は仕事はじめであり何かと正月ボケを感じながら午前のそれを終えたところだ。
「ちゃんと」
「言われるとね、ただね」
「ただ?」
「日本程はね」
「お雑煮とかおせちとか」
「そんなことはないね」
「あそこまで色々食べることは」
長谷川も言った。
「鯛のおかしらみたいなのもないんやね」
「そうだよ。ちなみに長谷川さんはどうだったのかな」
ミッターマイヤーはここで同僚に問うた。
「お正月そういうの食べたかな」
「食べたで。ただ」
「ただ?」
「おせちって色々あり過ぎて」
料理の種類がというのだ。
「私も好き嫌いあるで」
「そうなんだ」
「ぼうだらは苦手やし」
こちらはというのだ。
「他にも好きやないもんあって実家で食べても」
「食べなかったものもあるんだ」
「そやで。あとうちお雑煮は白味噌やし」
「京都だね」
「あっちのお雑煮やで。大阪やけどお祖父ちゃん京都生まれやから」
「そっちのお雑煮だね」
「そやで、お雑煮はその地域やお家それぞれやで」
ミッターマイヤーに話した。
「おせちと一緒に欠かせへんけど」
「日本のお正月は色々食べるものあるね」
「そう言われるとね。そこは文化の違いやね」
「食文化のね」
「ほんま。ほな私今からお弁当食べるから」
言いつつ袋に入ったそれを出した。
「ミッターマイヤー君もお昼にしたら?」
「そうだね、ちょっとうどん食べてくるよ」
「ドイツやないな」
「日本にいるからね」
長谷川に笑って返した。
「好きだしいいよね」
「悪いとは言うてへんで」
「じゃあ食べて来るよ」
「ほな食べて午後また頑張ろう」
「そうしようね」
明るく笑って話してだった。
ミッターマイヤーは会社を出て長谷川は弁当箱を開いた、そのうえでそれぞれの仕事はじめの後の食事を楽しんで午後も仕事を頑張ったのだった。
お正月に食べるもの 完
2025・1・16
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