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つぎはぎだらけの服

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第二章

「あのジーンズはな」
「ずっと穿いていてな」
「それでああなったな」
「そうしたものなんだよ」
 常盤と伊勢にそのジーンズの取材を受けた後で話した。
「だからお洒落じゃなくてな」
「そうなったものだよな」
「ずっと穿いていて」
「ああ、それでお洒落だってな」
「人気が出てか」
「意外か」
「意外も意外だよ」
 それこそというのだ。
「俺にとってはな」
「そうか、けれどな」
「それで人気出たからいいだろ」
 二人は竹内に素っ気なく言った。
「俺達人気商売だしな」
「それでマナーにもいつも気を使ってるしな」
「それでいてキャラも守って」
「スキャンダルも起こさない様にしてるだろ」
「ああ、人気がないとな」
 竹内自身もわかっていた。
「俺達はどうにもならないよ」
「じゃあいいだろ」
「そのジーンズが人気出たらな」
 二人は竹内にあらためて話した。
「取材になってネットでも注目されて」
「悪いことじゃないだろ」
「そうだな、じゃあいいとしてな」 
 竹内は二人の言葉に頷いて述べた。
「あのジーンズ穿いていくな」
「しうしたらいいさ」
「人気が出てるからな」
「そうするな」
 二人の言葉に頷き三人でステージでも揃ってつぎはぎだらけのジーンズをステージ衣装として作って穿く様にもした、するとその衣装もだった。
 人気が出てバンドのトレードマークにもなった、それで人気が定着して音楽も聴かれ高い評価を受ける様になった。それで竹内もよしとしたのだった。


つぎはぎだらけの服   完


                    2025・1・16 
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