成人式の騒動

　　　　　　　　　　　　　　　　成人式の騒動
　成人式だ、青井春恵は振袖を着て参加した、黒髪をボブにしていてはっきりした大きな二重の目と小さな唇に小さな丸い感じの顔を持っている。背は一五五位で見事なスタイルだ。
　見れは不安な顔をしている、それで小学校からの親友で大学も一緒に有藤澄香長身で面長で背の高い黒髪をロングにしたすらりとしたやはり振袖姿の彼女に囁いた。
「成人式ってね」
「ああ、荒れるってね」
　澄香は春恵の言葉に応えた。
「言われてるわね」
「ええ、それでね」
　春恵は心配そうな顔で言った。
「ここもね」
「荒れてる奴いたわね」
「中学の時にね」
「あの連中が今も馬鹿でね」
「馬鹿なことしないかしら」
「うちの中学酷い奴は本当に酷かったわね」
　澄香は苦い顔で話した。
「思えば」
「そうよね」
「もうね」
　それこそというのだ。
「文字通りのドキュン」
「そんな奴いたわね」
「五人位ね」
「その五人が暴れるだけで」
「折角の成人式が滅茶苦茶になるし」
「だからね」
　そうなるからだというのだ。
「心配よね」
「これからね」
「どうなるか」　
　二人で心配そうに話した、そしてだった。
　二人は成人式の式場に入った、すると他の成人式を迎える新成人達も式場に入ってきていた、見れば。
「皆真面目ね」
「そうね」
　春恵も澄香も場を見て話した。
「中学の時のドキュングループもね」
「ちゃんとスーツ着てね」
「髪形もちゃんとしてて」
「外見も」
「やっぱりね」　
　澄香は春恵に考える顔になって話した。
「二十歳、大人になると」
「真面目ね」
「そう、皆ね」
「それに一生の晴れ舞台だしね」
「成人式ってね」
「一生で一度の」
「そうだしね」
　だからだというのだ。
「真面目ね」
「そうね」
「よかったわ」
　こうした話をした、そしてだった。
　成人式はつつがなく進み終わった、その後の自分達のいる県内で最も格式の高い大社への参拝も終わってだった。
　春恵は家に帰った、成人式が平和に終わってよかったと思いつつ。
　だが後日大学でだ、春恵は澄香に言われた。
「例の中学の時のドキュングループがなの」
「そう、式と参拝が終わってからね」
　澄香は春恵に大学の食堂で一緒にカレーを食べつつ話した。
「居酒屋でお祝いして」
「そこで飲み過ぎて」
「全員酔い潰れてね」
「大変だったのね」
「暴れはしなかったけれど」
　それはなかったがというのだ。
「けれどね」
「酔い潰れて」
「それぞれのご両親が迎えに来て」
「連れて帰ったのね」
「皆酔い潰れるまでね」
「飲んだのね」
「成人式のお祝いでね」
　まさにそれでというのだ。