夢幻水滸伝
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第三百七十六話 九尾の黒猫と共にその十七
「使者の方にそうお答えして」
「そしてやで」
ニキータは黒猫にも答えた。
「そのうえで」
「後にですね」
「正式に入るで、アレンカールさんやったら大丈夫や」
こうもだ、ニキータは負った。
「コロンビアも南米も」
「治めてくれますか」
「そうしてくれるで」
「そうなのですね」
「勿論あたしも働いてくけど」
「アレンカール様が棟梁となられれば」
「それでやで」
「問題なしですね」
「そやで」
こう言うのだった。
「絶対に」
「そうなのですね」
「あたしは野心ないねん」
自分から笑って言った。
「覇者になるとかいうのは」
「南米に君臨する等ですね」
「そうした野心はないから」
だからだというのだ。
「あの人とやってくわ」
「争うことなく」
「そやで、他の子もそうしてるし」
「はい、多くの星の方がアレンカール様の仲間になりました」
市長がこのことを話した。
「マチュピチュでの会談を経て」
「そうなったね」
「平和的に」
「アレンカール様は武の六将星の方ですが」
店長は驚きを隠せない顔で言った。
「平和にされましたね」
「武力で以て統一ではなく」
ウェイトレスも言った。
「平和的にとは」
「戦したら手間とお金と人手かかるし」
ニキータは意外といった顔の三人に話した。
「死傷者出るし負けるかも知れんやん」
「そうしたことを考えて」
「それで、ですね」
「あの方は平和的にことを進められたのですね」
「そやで、ほんまね」
そこはというのだ。
「あの人は戦がわかってるわ」
「六将星の方だけあり」
「戦のことをご存知なので」
「だからですか」
「かえって戦をせえへんねん」
そうだというのだ。
「みだりに戦をすると力失うだけやしね」
「百戦百勝は最善ではない」
黒猫がここでこう言った。
「そういうことですね」
「そやで、戦わずして勝つ」
「それが最善ですね」
「そやからね」
だからだというのだ。
「あの人は戦わずにことを為してん」
「会談で、ですね」
「そやで、ブラジルの国力は圧倒的やん」
「はい、大国です」
黒猫はまさにと答えた。
「中南米一の」
「そやね」
「ガイアナ等も掌握されましたし」
「他の国を圧倒してるわ」
「左様ですね」
「しかも」
ニキータはさらに話した。
「軍事力もあるしアレンカールさんとアマード君は戦強いし」
「そこまで考えますと」
「とてもやで」
それこそというのだ。
「戦っても勝てへん」
「誰もが思ったので」
「それでやで」
その為にというのだ。
「平和的にことが進んでん」
「そういうことですね」
「そやで」
「そのこともありますか」
「あたしもそう思ってるし」
ニキータ自身もというのだ。
「アレンカールさん無体なことする人やないし」
「ここは、ですか」
「お話をして」
まずはというのだ。
「それから一緒にやで」
「世界を救われますね」
「そうするわ」
黒猫に話した。
「もうそうするってある程度決めて」
「そのうえで、ですね」
「ことを進めるわ」
「そうですか、では」
「アレンカールさんとお話しよな」
笑顔で言ってだった。
ニキータはアレンカールとの会談に向かった、そうして実際に彼と話して彼の仲間となったのである。
第三百七十六話 完
2024・11・1
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