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夢幻水滸伝

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第三百七十六話 九尾の黒猫と共にその十四

「よおわかる時あるし」
「だからですか」
「怪しいと思ったら一旦離れて」
「遠くからご覧になられますか」
「冷静に。それでコロンビア統一したけど」
 政のことも話すのだった。
「これからは各国もよお見んとね」
「中南米のですね」
「そう想ってるわ。特にブラジルは」
「あの国ですか」
「アレンカールさんが頑張ってて」
 彼がというのだ。
「日の出の勢いやね」
「まさにそうですね」
 市長はケーキを食べつつ頷いた、ケーキはかなりの大きさで四人と一匹が食べてもかなりの量がある。
「今は」
「善政敷いてはるし」
「まさに南米一の勢力ですね」
「アマードちゃんもおって。あたし自身はここが限界や思てるわ」
「限界とは」
「あたしはコロンビア一国の器ってことやで」
 銀色のフォークで白い皿の上のケーキを食べつつ答えた。
「これ以上は勢力拡大せんわ」
「そうですか」
「暫くコロンビアを治めるだけにするわ」
 統一したこの国をというのだ。
「勿論他国に戦略はせんで」
「内政や貿易に専念されますか」
「そうするで」
「あの、北にです」
 黒猫は勢力拡大をこれ以上は行わないと言う主に言った。
「パナマがあり」
「運河があるね」
「あの運河を掌握しますと」
 そうすると、というのだ。
「通行でお金を貰いますと」
「めっちゃ利益になるね」
「アメリカの諸勢力が行き来しているので」
「太平洋岸と大西洋岸でやね」
「はい、あちらを通りますと」
 パナマ運河をというのだ。
「南米のマゼラン海峡を通るより遥かに近いです」
「距離も時間もお金もかなり楽になるね」
「まさにアメリカの最重要地です」
「他の国もやしね」
「カリブ海の諸国が太平洋に出るにも」
「あそこを使うと楽やで」
 距離や時間、移動の際に使う金がかなり減るというのだ。
「ほんまに」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから」
「あそこを掌握するとやね」
「かなり違いますが」
「そやけどね」
 それでもだ、ニキータは答えた。
「あたしはもうこれだけの器やとね」
「お考えですか」
「あたし一人やと」
 そうであるならというのだ。
「ほんまそやで」
「コロンビア一国ですか」
「それだけや、パナマに星の子がおったら」
 パナマ運河を領土としているこの国のというのだ。 
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