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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその七十一

「嬉しいけれど」
「どうしたんですか?」
「私のことよりもね」
「この人とのことですか」
「先輩のことを嫌わないでくれたら」
 せめて今よりましな位にです。
「私は嬉しいから」
「そこは難しいですね」
「そうよね、けれど今回で少しましになったわね」
「なりました」
 実際にという返事でした。
「僕も」
「そのままいってくれたらね」 
 私としてもです。
「いいけれど」
「この人を嫌わないことですね」
「誰にも何にも対してもね」
「僕の癖性分をなおすことですね」
「そう、そうしてくれたらね」
 私としてもです。
「何よりよ」
「そうですか」
「だからこれからもね」
「こうしたことをですね」
「していきましょう」
 新一君に対して言いました。
「そうしましょう」
「それじゃあ」
「ええ、きっとよくなっていくわ」
 今日の新一君を見るとです。
「そうしたら新一君のいんねんもね」
「切れていきますね」
「相当強いみたいだけれど」
 お家のいんねんも魂のいんねんもです。
「どちらもね」
「ですが切ることは出来ますね」
「どんないんねんもね」
 このことは間違いないです。
「あるから」
「それで、ですね」
「いさんでいってね」
「そうしていきます」 
 新一君も確かな声で答えました。 
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