優しい馬と救われた猫
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第一章
優しい馬と救われた猫
アメリカで馬の牧場を夫のハインリヒ=シュバルツとともに経営しているメリッサはその猫を観て言った。
「何処から来たのかしら」
「野良猫かな」
夫は首を傾げさせつつ応えた、二人共中年で長身ですらりとしている、夫は黒に近いダークブラウンの髪で目は黒だ。妻はブロン簿のボブヘアで目は緑だ。二人は今黒と白の雄の子猫を見てそのうえで話している。
「それで来たのかな」
「そうなのね」
「それでだけれど」
夫は妻に言った。
「この子をどうしようか」
「もううちに来たし」
妻はそれでと答えた。
「うちはもうマリーとメリーがいるけれど」
「ニャア」
「ニャン」
白と銀のペルシャ猫と焦げ茶と黒い上に白い下の模様の猫がいる。二匹共雌である。
その猫を見てだ、妻は夫に話した。
「鼠が多くて」
「二匹じゃね」
「手が足りないわね」
「あれだよ」
夫は妻に言った。
「猫の手も借りたい」
「今はね」
「牧場をしたら」
「どうしても鼠が多くなるから」
「猫は必要だし」
「この子もね」
「家族にするか」
妻に言った。
「ここは」
「そうしましょう」
「それならね」
夫婦で話して決めてだった。
子猫を家族に迎えた、名前はターニップと名付けたが。
ターニップはすぐに家族に懐いた、猫達とも仲がよくなったが。
「ニャア」
「ヒン」
「ヒヒン」
馬達とも仲よくなった、特に。
「スターゲイザーにな」
「ノラとね」
黒馬の雄と茶色の馬の雌を見て夫婦で話した。
「仲よくなってね」
「そうしてね」
「背中に乗ったりしているな」
「懐いてね」
「いや、ここまで懐くなんて」
「思わなかったわ」
「馬と猫は仲がよくて」
このことは牧場で一緒にいてわかったことだ。
「最初からだけれどな」
「マリーとメリーもだけれど」
「ターニップは特にな」
「懐いたわね」
「本当にな」
「よかったわね」
「ああ、これからもな」
夫は妻に話した。
「ターニップもマリーとメリーもな」
「馬達もね
「そうだ、スターゲイザーもノラも」
彼等もというのだ。
「ずっとな」
「仲よくね」
「一緒にいてもらいましょう」
「皆でな」
夫婦で話して彼等の中に入った、牧場での暮らしはとても幸せなものだった。
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