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アルバム用の写真

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第一章

                アルバム用の写真
 卒業アルバムを撮る時が来た、それでだった。
 高校生の佐藤睦美黒髪を左右でツインテールにし大きな二重の目と小さな赤い唇を持つ小顔で小柄な彼女は母で彼女をロングヘアにした様な外見の智子に言われた。
「美容院行ってきなさい」
「アルバム撮影の前の日に?」
「それで髪の毛セットしてもらうのよ」 
 こう言うのだった。
「いいわね、あと学校に行く前にね」
「撮影の日は」
「そう、お風呂入れるから」
「朝から?」
「そう、朝からよ」 
 まさにというのだ。
「だから前の日は早く寝て」
「早く起きるの」
「寝不足だとお肌も荒れるから」
 このことがあるからだというのだ。
「よく寝るの、そしてね」
「早起きして風呂に入って」
「身体とお顔を奇麗にして」
 そうしてというのだ。
「髪の毛はトリートメントもして」
「コンディショナーも使って」
「奇麗にしてね」
「美容院で整えるだけじゃなくて」
「そうもしてメイクもよ」
 こちらもというのだ。
「いつもあんたナチュラルだけれどお母さんがやってあげるわ」
「自分でするわよ」
「いいの、その日はね」
 娘に真顔で告げた。
「自分でやるより人がやって方がいいでしょ」
「自分でやると鏡を見ながらだし」
「そう、だからね」
 それでというのだ。 
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