新オズのかかし
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第九幕その十
「それぞれ違いますね」
「国によって何かと違うものでしょ」
ドロシーは自分に尋ねた五人にこう答えました。
「王様が政治をしたり選挙で選ばれた人が政治をしたり」
「はい、違いますね」
「言われてみますと」
「国によって違います」
「王様が治める国もありますし」
「大統領が政治をする国もあります」
「そこはそれぞれだから」
その国によってというのです。
「国家元首もね」
「国によって違いますね」
「大統領だったり皇帝だったりしますね」
「市長さんや王様だったり」
「色々違うんですね」
「そしてオズの国全体はね」
それはといいますと。
「もうね」
「はい、オズマ姫ですね」
「王女であられる」
「あの人ですね」
「あの人が国家元首ですね」
「オズの国全体の」
「そうよ、ただオズマは女帝でも女王でもなければ」
こうも言うドロシーでした。
「大統領でも市長でもないのよ」
「王女ですね」
ナターシャが言いました。
「そうですね」
「私やベッツイ、トロットと同じね」
「そうですね」
「オズの国では王女でもね」
「国家元首になれますね」
「そうよ、外の世界では国家元首になれば」
その時はというのです。
「もうね」
「女帝や女王になりますね」
「そうでしょ」
「はい、イギリスとかそうですね」
ナターシャはその通りだと答えました。
「まさに」
「そうでしょ、国家元首になるまでは王女でも」
「お姫様でもですね」
「即位したらね」
「女王ですね」
「それで帝国ならね」
「女帝ですね」
ここでナターシャはロシアの女帝だった人達のことを思い出しました、かつてはロシアにそうした人達がおられたのです。
「そうなりますね」
「そうでしょ、けれどオズの国ではね
「そこが違いますね」
「そう、そしてね」
そうであってというのです。
「オズマもね」
「王女のまま国家元首でおられますね」
「そうなのよ」
「何でも外の世界では皇帝は王様より偉いらしいね」
その皇帝である樵の言葉です。
「そうだね」
「そうだよ」
かかしが答えました。
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