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スーパー戦隊総決戦

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第八話 古都でその三

「やっぱりよ。仲間がいるってのはな」
「それだけでオルグ生幸せになれる」
 人間でないことは自覚はしていた。
「いいことだよ」
「全くですわ」
「その通りね。お花も奇麗だし」 
 ツエツエは花達を見ながらにこりとしている。
「これで聖杯が見つかってガオレンジャー達がいなければ」
「最高なんだがなあ」
「全くですわ」
 三人で言う。妙なまでに息が合っている。
 誰もがにこやかに平安神宮の中を見ながら楽しんでいる。しかしここでふと薄皮が一人面白くない顔をしている十蔵に気付いたのだった。
「何かあったのかしら」
「俺はこうした場所は好かん」 
 見れば一人少し離れて立っている。
「賑やかな場所は性には合わん」
「あんたはそうだろうね」
 それは薄皮も察していることだった。
「そういえばロンもいないしね」
「あいつはまた冥界に行ったぞ」
 ガイがこう彼等に話す。
「だから今はいない」
「冥界にか」
「そうだ、そこにだ」
 ガイは相棒のレイにも話した。
「行っている」
「また何か企んでいるのか」
「その様だな」
 二人もそれは察していた。
「何かまではわからないがな」
「そうだな。そういえばだ」
「どうした?」
「いや、冥界で思い出したが」
 レイからの言葉だった。
「ヤバイバとツエツエが二人ばかり余分に生き返らせたとか言っていたな」
「そういえばそうだったな」
「それは誰だ?」
 レイはそれについて考えるのだった。
「二人だとするとだ」
「そういえば誰なんだろうな」
「わからないわよね」
 ヤバイバとツエツエもそれを言われてかえってきょとんとなった。
「もう一人いそうだしな」
「あの時調子に乗って随分としたから」
 相変わらずすこぶるいい加減なところのある二人である。
「まあ大した奴じゃないだろうな」
「そうよね。三人だとしてもね」
 これで終わらせる始末だった。とりあえず何も考えていない彼等だった。そして何も考えていないのは彼等だけではなかった。
「さて、明るく楽しく」
「飲んで見て楽しくやろうぞ」
 ヴァッフォとミゲラは酒さえ飲んでいた。日本酒である。
「これが風流よ」
「善き哉善き哉」
「美人も大勢おるしのう」
「そうじゃな」
 周りの人間達を見ての言葉だ。人間達は一行を撮影としか思っていない。ある意味において非常に平和な展開ではある。少なくともトラブルは起こっていない。
「ママ、あの人達からサイン貰えるかな」
「撮影中みたいだから駄目よ」
 こう息子を嗜める母もいた。
「そういう心配りもしっかり覚えなさい」
「はあい」
「ふむ。よくできた親御さんじゃのう」
 シタリはその母子を見て感心して頷いていた。見ればそこに父親も来て三人になる。一家で楽しく観光をしているのがそれからわかった。
「いやいや、今は撮影中ではないぞ」
 そして親切心を出して告げるのだった。
「じゃからサインもできるぞ」
「そうなんですか」
「ほらほら、皆も来るのじゃ」
 そして周りにも告げるのだった。
「遠慮はいらん。これだけの数がおるからのう」
「おいシタリ」
 ドウコクがその彼に言ってきた。
 
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